世界「まだまだ隠された能力はいっぱいある」

――5月に公開された「PERFECT MAGIC」のMVの見どころを紹介する動画（「【BATTLE OF TOKYO】Music Video 3分プレゼン企画「PERFECT MAGIC」編！」）で、世界さんが「Astro9のおかげでファンタが成長した感じがある」とチラッと仰っていました。あれはどういう意味なんでしょう？

世界：「PERFECT MAGIC」のMVはアニメーションと実写が融合しているんですが、Astro9はキャラクターの立ち絵のインパクトが結構強かったので、撮影のときにみんなキャラを意識してやってみよう！となりました。そうしたら、普段やらない表情や仕草がいっぱい出たんですよね。大樹だったら調子に乗ってる感じの表情とか、澤夏だったらハジメのニヤッとした表情とか、いつものファンタのMVとはみんな違っていて。ボーカルの2人はダンスもいつもよりリラックスして踊れていた気がしました。完成したMVを観て、それぞれの魅せ方のスキルをAstro9が成長させてくれたかなと思いました。キャラクターになるという前提が一個乗っかった結果、普段はできないことを平気でできちゃうのはすごく良い企画だったなと思います。

澤本：カメラが回ると自然と「ハジメはこうなんだな」と想像しながらやっていて、新しい自分を意識したいなと思っていました。映像を観ながら「もうちょっとこうじゃないですかね」と監督やメンバーと話し合いながら撮影を行いました。

――それと、MVといえば、4グループ合同の「UNTITLED FUTURE」がすごい良くて。

世界：いいですよねぇ。

――曲もいいし、映像がまるでバトルもののアニメの……。

世界：エンディングですよね。

――ですよね。

世界：完全にエンディングだなぁと思いました。ボーカルが歌入れしたトラックダウン前のものを聴かせてもらった時から「めっちゃいい曲だな」と思っていたんです。映像は僕らは何も知らなかったので、みなさんと同じタイミングでできあがったものを観たんですが「うわ、こういうの観たかったわ」というものをちゃんと見せてくれて、嬉しかったです。テクウさんは炎出してハジメがステーキ焼くの手伝ってたね。

澤本：そういうシステムなんだ、って思いました（笑）。それをカグラ（KAGURA／瀬口黎弥のキャラクター）が爆食いしてて、その隣でカラス（KARASU／八木勇征のキャラクター）は狼と戯れてて。ほかのグループがあってあの流れでAstro9が来ると、ちょっと面白いですよね。

世界：俺たちだけ突拍子もないもんね。

澤本：それが良さかなと思いながら観ました。

――このタイミングでもうエンディングっぽい曲を出すのか、という驚きもありました。

世界：早いですよね。「BATTLE OF TOKYO」は通常のアニメや漫画と作り方が全然違うんだって、あの映像を観たときに思いました。完結したストーリーが最初からあるわけじゃなくて、流動的に進化しながらつくっていくから「今これやりたい」「あれやりたい」というタイミングでそれがそのまま実現できるのは強みな気がします。いいスピードで機関車を走らせながら同時に線路をつくっていて、しかもそれが何本もあって実はあとから列車がもう一台来てました、みたいな。「UNTITLED FUTURE」から膨らむ世界観もすごくあると思うので、楽しみです。

――この感じで日常回も観てみたいです。

世界：もっとデフォルメした絵のスピンオフも観たいですよね。『キメツ学園』みたいなやつを。

――最後に、自分のキャラクターのまだ描かれていない要素を可能な範囲でちょっとだけ教えてください。

澤本：「せっかくだからいろいろ入れちゃおう」と思って、結構ふざけたこと書いちゃったんですよね……。みんな家族関係について書いてたじゃないですか。

世界　うん。

澤本：だから俺も何か入れようと思って、「弟は宇宙人です」みたいなことを書きました（笑）。Astro9もファンタも、ちょっと宇宙のイメージがあるじゃないですか。だからそういうのがあってもいいかなって……まだ反映されてないですけど。

世界：まだ出てきてないね（笑）。

澤本：ちょっと期待しています。

世界：いま出ている設定が全部じゃないから面白いよね。登場人物の年齢も全体に明確にされていないし。気になります。

澤本：「コンプリートガイド」みたいな本とか出そうですね。

世界：「BATTLE OF TOKYO完全解析」みたいなね。

――テクウさんのまだ出てない要素はどうですか？

世界：「UNTITLED FUTURE」のMVでテクウさんは本を読んでいるんですが、あの本が何なのかとかも考えてくれると結構面白いんじゃないかなと思います。あと、ほかの3チームにはメカ担当がいてメカが出てきたりするんですけど、Astro9はまだなんですよね。テクウはメカニックでイリュージョンの道具をつくったりもしているので、今後何かしらAstro9で活用できるメカがでてくるかもしれない……ロボットかもしれないし。vol.2ではSFの要素や用語も出てくるじゃないですか。嵐が来る前の世界はどうなっていたのか、嵐が来たときにブルーシールドはなぜあんなに早く動けたのか、とか。今の世界はコロニー的なものなのか、宇宙世紀的なものなのか……テクウさんがガンダムになるのか。

澤本：!?

世界：（笑）。「BATTLE OF TOKYO」のメカニックデザインは出渕さんですしね（出渕裕：『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア』『機動警察パトレイバー』ほか多くのアニメ・特撮のメカニックデザインを手掛ける）。それと、テクウさんは炎を使う場面が多いんですが、スキルは熱量変換なので炎以外にも結構なんでもできちゃうんですよね。漫画の炎属性キャラって、最初は"最強”みたいな雰囲気で出てくるのに蓋を開けてみたら意外と「アレ？」みたいなことがあるし、逆に「実は氷雪系最強」説もあるじゃないですか。その点、テクウさんのスキルは熱を奪う攻撃もできますから。テクウさんに限らずまだまだ隠された能力はいっぱいあるので、乞うご期待です。