神宮寺勇太、迎える20代ラストイヤー 愛するカルチャーを通して示した存在感 “感性”とともに歩んだ1年を振り返る
本日10月30日、神宮寺勇太が29歳の誕生日を迎えた。
この一年、Number_iはWME(William Morris Endeavor)とのエージェント契約、Atlantic Recordsとのレーベル契約と、大きな動きが相次いだ。グループとして活動の幅を広げる一方で、神宮寺個人としても、自身が愛するカルチャーを通じて存在感を示した一年であったように思う。
そのひとつが、2025年12月に発売された『HODINKEE Magazine』Japan Edition vol.11特別版(ハースト婦人画報社)にて表紙を飾ったことだろう。本誌と連動した動画企画にも登場し、ヴィンテージロレックスを中心とした自身のコレクションを披露し、時計の魅力を語っていた。なかでも印象的だったのが、「自分が一度手にしないことには説得感に欠ける」(※1)と話していたことだ。興味を持ったものに実際に触れて、とことん掘り下げる。物事に向き合う際に彼が大切にしている姿勢が垣間見えた。
時計に限らず、バイクやデニムなど、これまでにもSNSやメディアの場で好きなものをマニアックに語ってきた神宮寺。その知識の豊富さには毎回驚かされてきたが、自分が好きなものをきちんと理解しておきたいという思いが根底にあるのだろう。
細かい部分まで向き合う姿勢は、手掛ける楽曲からも感じられる。たとえば、自身のプロデュース曲「INZM」を制作する際には、リファレンスとなりそうなミクスチャーロックを勉強し、「INZM」=“稲妻”の語源を調べて歌詞の方向性を決めたことを明かしていた。そして、今年7月に配信された「BUGS LIFE」も、神宮寺がプロデュースを担当した楽曲だった。本曲は「デジタルというものは何か」というテーマを紐解くところから制作を始め、フォンクを基調にNumber_i流のサウンドへと昇華。リリックも、システムの不具合を意味する「bug」を“奇跡”という意味に捉え、いくつもの偶然が重なって今の自分たちがいることが歌われていた。興味を持ったものを深く知り、自分なりに咀嚼して表現へと落とし込んでいく。神宮寺がプロデュースを務める楽曲は、そんな彼ならではのこだわりが随所に表れているように思う。
この一年では、2026年はじめにAMIRIのグローバルブランドアンバサダーに就任したことも大きなトピックだ。就任後は、今年1月にフランス・パリで行われた『2026-27秋冬コレクションショー』に参加。8月には同ブランドのグローバルキャンペーンに日本人キャストとして初めて登場し、洗練されたスタイルを披露していた。自身が表紙を飾った『ELLE JAPON』2026年11月号特別版(ハースト婦人画報社)では、デザイナーのマイク・アミリが神宮寺のバイク好きを知り、ライダースジャケットをプレゼントしてくれたというエピソードも明かされていた(※2)。好きなものを通じて新たな仕事や縁が広がっていくのも、出会う人やものの一つひとつを大切にしてきたからこそだろう。
『ELLE JAPON』では、Number_iとして歩み始めた当初は「今の姿は全く想像していなかった」(※2)とも語っていた神宮寺。グループ結成から3年。Number_iは世界へと活動のフィールドを広げ、個人としても音楽、ファッションなど、さまざまな場所で自らの感性を発揮している。
好きになったものを表面的に楽しむだけでなく、背景まで知り、実際に触れ、深く理解する。その積み重ねが、神宮寺の表現に説得力を与えているのだ。いよいよ幕を開けた20代ラストイヤー。これからも彼が好きなものを追求し、そこから何を生み出していくのか楽しみだ。その探究心の先には、今の神宮寺自身もまだ想像していない、鮮やかな景色が待っているかもしれない。
※1:https://www.youtube.com/watch?v=EZF6epo3xNQ
※2:https://www.elle.com/jp/culture/music-art-book/a73715493/yuta-jinguji-interview-26-09/