3000万円を注いだ新曲で仕掛けるリアルピースの大勝負 史上初の全Zeppツアー完走、夢の舞台=東京ドームへ続く道

「ツアーは涙からのスタートだった」――メンバーも知らないこーたの涙

かちょー

――今回のツアーは、公演ごとに衣装や演出、セットリストも違ったんですよね。全国ツアーでそこまで内容を変えるのは、かなり大変だったのではないでしょうか?

かちょー:僕らは昔から、イベントのたびに内容を変えてきたんです。僕にとってはリアルピースが初めての芸能活動だったので、それが当たり前だと思っていたんですけど、そうではないと知ってびっくりしました。

かずぅ:でも、僕らは5年間、毎月『リアフェス』をやってきて、今回も月1回のペースは同じだったので、そこは大丈夫でした。こーたが大丈夫だったかは、わからないですけど(笑)。

こーた:だ、だ、だ、大丈夫でした(笑)。楽しかったですよ。同じ内容を1年間やるほうが、作業としては絶対に楽だと思います。毎回違うものを作るのは大変ですけど、そのぶん、終わったあとに「今日はこうだったね!」って、その公演ならではの反応をもらえるんです。それが楽しかったし、やってよかったなと思いますね。

かずぅ:衣装だけじゃなくて、コンセプトも丸ごと違うんです。未来だったり、縄文時代だったり、戦国時代だったり。そのたびに衣装も作っていたので、月に1回というペースだからできたことだと思います。もっと短い期間で何公演もまわるツアーだったら、さすがに難しかったですね。

――演出や世界観は、主にこーたさんが考えているのでしょうか?

こーた:実は……途中から全然アイデアが出なくなっちゃったことがあって。それまでの活動で、自分のなかのアイデアを使い切ってしまって。リアルピースが始まって3年目くらいに、「もう無理かもしれない」って思った時に、かずぅに相談したんです。

かずぅ:その相談はすごく覚えてる。「まだ出るよ!「流れから全部変えてみればいいじゃん!」って話したんですよね。以前、『リアフェス』で桃太郎を題材にしたことがあって。桃太郎って、きび団子で仲間を増やしていくじゃないですか。僕もひとりでYouTubeを始めて、少しずつ仲間が増えていったので、グループに似ているなと思ってやってみたら、それがすごく好評だったんです。まだお客さんが30人くらいの頃だったんですけどね。だから、「あの時みたいに全然違うものを作ればいいじゃん」「オープニングやエンディングはこうしなきゃ、という枠に縛られなくていいんだよ」って言ったの覚えてる。

こーた:…………でも、そんなの無理ですよね?

全員:あははははは!

こーた:僕は「それができたら、今悩んでないよ!」と思いました(笑)。

かずぅ:はははは! でも、その話をしてから、さらに1年くらいは頑張れたよね。

――その言葉で、一度は限界を超えられたんですね。

こーた:一瞬、突破したんでしょうね。でも、その次の限界がすぐにきて(笑)。

かずぅ:そこで「これは、本当に難しいのかもしれないな」と思って。それから、僕がベースを考えて、こーたが作り込んでいくという、今の作り方になったんです。

こーた:たとえば、原始時代なら「こういうことをやったら面白いんじゃない?」というベースをかずぅがくれて、それを僕が映像や編集で広げていく。それをみんなに見てもらって、最後に調整して、本番でやるという流れですね。かずぅが考える面白さと、僕に任せてもらって自由に作る面白さがあって、さらにそこに本番でメンバーが生み出す面白さが加わる。だから、毎回違うものになるんだと思います。

かずぅ:今回のツアーの映像は、全部こーたが作ってくれているんですけど、撮影している時、こぺとかかちょーは今何を撮っているのか、わかっていないと思います(笑)。

こぺ:そうかも(笑)。

かちょー:(笑)。こーたがiPadにやることを書いていて、「次はこれ」「その次はこれ」と指示を出してくれるので、その通りにやっているんです。「今、この順番でいいのかな?」と思いながら(笑)。

――(笑)。事前に設定や全体の流れを説明する資料があるわけではないんですか?

こーた:口頭で、軽くですね。「今日は原始人ね」って。

かちょー:(指示されるのも)「ちょっとバカっぽくして」くらい(笑)。

こぺ:でも、完成した映像を観ると、ちゃんとできているから不思議なんです。

なお

――それでも対応できるのは、これまで一緒に作ってきた積み重ねがあるからでしょうね。

かちょー:たぶん、それが僕らにとっていちばんやりやすい方法なんだろうなと、どれぞれがわかっているので。言われたことをスムーズにできれば撮影も早く終わるし、こーたも楽になる。そこを考えてやっています。

こーた:一時期、なおには本当に何も説明してなかった(笑)。「近くにかずぅがいるから、ここに座って話を聞いている感じで」くらいしか伝えていなかったんです。それで、あとで映像を観たら、なおが耳にAirPodsをつけたままで!

なお:あまりにも怒涛だったんだよね。本番だと思っていなくて(笑)。

こーた:僕が説明していないから、撮影のスイッチが入らなかったんだと思います。「ここに座って、こういう感じで。はい、撮ります。オッケー、じゃあ次の人を呼んできて」って進めていたので。でも、自分もいっぱいいっぱいになってしまう時に、みんなが対応してくれるのは、本当に助かっています。そういえば……もうひとつ、僕の思い出を話してもいいですか? これ誰にも言っていないんですけど――。

――ぜひ、聞かせてください。

こーた:Zeppツアーが決まった時、かずぅとスタッフさんと僕の3人でコンセプトを考えたんです。その時はもう頭がいっぱいいっぱいで、どうしたらいいかわからないけど、もう決めないと間に合わないという状況で。結局、僕からはコンセプトを出せなくて、かずぅが「今回はいろんな時代に行こう」と提案してくれたんです。僕は、それをメモして。それで打ち合わせが終わって、みんなと別れたあと、スタッフさんの前で泣いちゃったんですよ。

なお:えー! マジで!?

かずぅ:泣いたの? 泣き虫じゃん!

こぺ:(笑)。

かちょー:ははははは!

こーた:誰かに何かを言われたからではなくて、自然に涙が出てきて。方向性が決まった安心感もあったし、助けてもらえたことがすごくありがたかった。でも、いっぱいいっぱいな自分もいて、駅で「僕、できるかわからないです。今、自分の感情がわからないです……」って泣いて。もともと、すぐに頭がいっぱいになってしまうタイプではあるけど、僕にとって今回のZeppツアーは涙からのスタートだったんですよ。結構、ちゃんと泣きました(笑)。

かずぅ:知らなかった(笑)。

――その話を聞くと、ツアーを終えた時の「ほっとした」という言葉の重みも変わってきますね。

こーた:本当に、やれてよかったです。

――Zeppツアーを終えて、11月3日にはLaLa arena TOKYO-BAYで『リアルピース 4thワンマンライブ~地図に無い場所~』が開催されます。今は、どんな気持ちで準備を進めていますか?

かずぅ:まず、チケットを1万枚届けることを目標にしていて、それはもう達成できているんです。ソールドアウトまでは、あと少しなんですけど。しなこちゃんや竹下☆ぱらだいすさんと一緒にアリーナツアーもやりましたが、その時も最大で9000人くらいだったので、1回の公演に1万人のお客さんがきてくれるのは、この5年間で初めてなんですよ。単独公演でも、ほかの方と一緒でもなかったことなので、まずその目標を達成できたことに安心していて。今は公演の中身に集中しています。

――今回はセンターステージということで、これまでとは準備も違いそうですね。

かずぅ:迷子になるんですよ、ステージで(笑)。今までは、一方向を向いていればよかったんですけど、今回は360度全部にお客さんがいる。どの方向も同じ景色に見えてくるんです。練習では「ここを正面にしよう」と方向を決めているんですけど、それはあくまで僕らの視点での話で、お客さんにとっては、自分が見ている視点が正面じゃないですか。そこを意識してやらないといけないので、練習すればするほど不安になるところもあります。

――かずぅさんでも、不安になることってあるんですね。

かずぅ:僕、めちゃくちゃ方向音痴なんですよ。知らない場所に行って、扉を出たあと、本当は左に行かなきゃいけないのに右に行ってしまうような感じで。普段から「帰る方向、どっち?」って聞いてるくらい。その苦手な部分が、ここにきて出てきた(笑)。でも、1万人の前で方向音痴を見せるわけにはいかないじゃないですか。

――本番中に、隣のメンバーに聞くわけにもいかないですもんね(笑)。

かずぅ:そうなんですよ! だから、めっちゃ集中して練習しています。ステージで迷子にならないように頑張りますけど、もしテンパっていたら、そこも楽しんでほしいです(笑)。

――ほかのメンバーのみなさんはいかがですか?

かちょー:さっき「CLUB CITTA’を毎月の『リアフェス』の会場にする」って言っていた話を聞きながら、「そんなことを言っていたなあ」と思い出したんです。でも、いざ実現した時は、純粋に「やったね!」という感じで、さらに今はその先の先まできている。今日、話を聞きながら、あらためて感慨深くなりました。

こぺ:Zeppツアーの最後の公演で、これまで『リアフェス』をやってきた会場を振り返る映像があったんです。それを舞台袖で観た時、すごく感動しました。忘れていたこともいろいろ思い出して、「ここまできたんだな」と思ったし、「このツアーも終わっちゃうんだ」という寂しさもありました。

――最初の頃の気持ちを、思い出す瞬間でもありましたか。

こぺ:お客さんが多くても少なくても、変わらずに「やりたい!」という気持ちは、ずっとあるんです。そういう初心を忘れずに、これからも頑張っていきたいなと思いました。

こぺ

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