四つ打ちのダンサブルなサウンドや「はいよろこんで」というポジティブなタイトルとは裏腹な楽曲に込められたメッセージに関して考察する投稿がSNSで広がっているのだ。まずはイントロで聞こえてくるモールス信号の音。歌詞に登場する〈・・・ ー ー ー ・・・〉（トントントン　ツーツーツー　トントントン）というフレーズもイントロで聞こえるモールス信号のようだ。その場合、このモールス信号の意味は「SOS」。躁状態のようなアップテンポでダンサブルな楽曲にまるで隠すように仕込まれたのが、この救いを求める信号。また、イントロのモールス信号音とあわせて聞こえてくる外国語のような言葉。この謎の言葉を逆再生すると「結局はね 優しささえあればいいとは思うんです」と聞こえてくるという。

　他にも真偽の怪しいものも含めて、さまざまな考察がなされており、考察の盛り上がりに比例して楽曲への注目度も相乗効果的に高まっている。目まぐるしく進んでいく日常のなかで自分を押し殺しながら懸命にギリギリのところで立ち回り続ける現代人の本音と建前をアイロニックな視点から楽曲に落とし込んでみせた「はいよろこんで」。ピリッと刺激の効いた隠し味に遊び心が見え隠れする、こっちのけんとらしい楽曲と言えるだろう。