ファンがアイドルの活動を応援し、その存在を広めていこうという行動そのものは決して珍しくない。だが、そんな熱心なARMYに対して、メンバーも恩返しと言わんばかりに頻繁にライブ配信を行なってきた。また撮影や収録、ライブの合間に回されたカメラの映像もYouTubeなどにアップされ、無名の少年たちがスターへと成長していくリアルがすべてが供給されていった。その多くが無料という形で発信されていったのだ。そこにはメンバーの想いが誤解なく伝わるようにと、有志のARMYたちが各国の言語を駆使して字幕をつけて発信していく姿もあった。

　そんなARMYとBTSだからこそ成立したといってもいい「無償の愛」に「無料のコンテンツ」で応えていく循環。その結果、気づけば公演1回あたり最大1兆2207億ウォン（約1281億円）の経済波及効果に達するという、とてつもない数字につながっていったのだから驚きだ（※1）。

　それゆえに、BTSのこれからには大きな期待が寄せられている。小さな事務所から世界へと羽ばたいたサクセスストーリーの「第1章」。では、成功の先の「第2章」はどのような展開を迎えるのだろうか。今、メンバーは次なるステップを模索している真っ最中であることが窺える。そんな彼らの背中を押すのは、やはりARMYなのではないだろうか。音楽シーンを大きく変え、様々な記録を塗り替え、数々の「初快挙」を成し遂げてきたBTSとARMYならば、きっとまた新しい世界の扉を開くことができるはずだ。

※1：https://mainichi.jp/articles/20220629/k00/00m/030/007000c