どこに出しても恥ずかしくない自慢のファン

――約2カ月に及ぶワールドツアーから帰国し、アジアツアーのファイナルとツアーファイナルである横浜アリーナ公演の前夜祭的なもの兼ねて横須賀芸術劇場で行われたのが『LIVE TOUR18-19 THE NINTH PHASE #5「混血」』（以下、PHASE #05）ですよね。

戒：長いツアーをやっていく中で約1年前の段階でホールツアーのセクションを終えていて、そこから小バコ、海外という環境も違う状況でツアーをまわったあとにいきなりツアーファイナルで横浜アリーナをどんとやるとなると、感覚的なものを忘れているという不安もあったので、横浜アリーナでやることを踏まえて、セット等の準備や感覚を取り戻すために決めた1本でもありました。

――そういう側面があったんですね。

戒：さらに、やるからには意味をつけたいということで『NINTH』の楽曲と過去の楽曲を混ぜ合わせるという意味で「混血」というタイトルをつけました。

――実際に『NINTH』の楽曲と過去の楽曲を「混血」してみていかがでしたか？

REITA：お互いの良さを引き立て合ってるというか、別に本ツアーのセットリストに並んでいても浮かなかっただろうなと思いました。でも、『PHASE #01』から入れていたらきっと浮いてたんだろうなとは思いますけど。

――『PHASE #01』から『PHASE #04』までの過程で『NINTH』の楽曲が自分たちの中にしっかりと入ったからこそだと。

REITA：そうですね。それがあるから昔の曲の表現に対する余裕も出たと思います。

――そしてツアー61本目となる『LIVE TOUR18-19 THE NINTH TOUR FINAL「第九」』です。ドキュメンタリーには本番前の緊張が伝わってくる様子も収められていますが、これだけの本数ツアーを回っていても緊張はするものですか？

戒：いつだって緊張はしますよ（笑）。基本、ファイナルってやることが多すぎて緊張する余裕もないんですけど、今回はいつもよりしっかり準備ができた分、あとはやるだけっていう状況だったのでより緊張しましたね。

――これだけの本数をこなして準備ができたからこそということですね。

REITA：いつもファイナルは不安なんですけど、それってパフォーマンスを発揮できるかな？っていう不安で、今回はそうならないように直前までイメトレや体を動かしたりして体の準備をしていたので、自然とそこに心もついてきて、僕はいつものファイナルよりは落ち着いて臨めました。

――61本やり終えたときの気持ちは覚えていらっしゃいますか？

REITA：スカッとしましたね。あと、どうしてもツアー中ってその日のライブの後に次のライブのセットリストを決めるっていう決まりがあって、でもファイナルはそれを決めなくていいので、風呂入って、メシ食って、帰る！　みたいな（笑）そういう解放感はありましたね。セットリスト決めないで帰るとか超いいよね。

戒：そうだね（笑）。

――たしかに映像にも次回のライブのセットリストを決めてる様子がありましたが、ライブ後すぐに次のセットリストを決めているんですね。

戒：ライブが終わった後にその日のライブで感じたものが新鮮なうちに次のライブに反映さえるためにそういう風にしてるんです。今思い返すと、61本やり切ったなぁって思いますね。これは初めての感覚なんですけど、ファイナルの余韻に浸ってる暇があったら早く次をやりたいと思ったくらいです。

――何といっても横浜アリーナに関してはアンコールの「UNFINISHED」前のRUKIさんのファンに対する感謝と「the GazettEとこのジャンルを守ってくれてありがとう」というMCだと思うのですが、これはやはりメンバー皆さんの総意でもあるんですか？

REITA：本当にthe GazettEのファンは素晴らしいです。熱い思いがあって、海外にも来てくれたりするし、こんなに追っかけてくれるっていうのはなかなかないと思うし、10年以上前と変わらない規模でやれているというもずっとファンが付いてきてくれてるからだと思ってます。

――the GazettEのライブはステージで行われている演奏や演出だけではなくファンのが作り上げる雰囲気までを含めた空間こそが“the GazettEのライブ”だと思わされます。

REITA：フェスとかもそうですけど、ウチのファンの暴れっぷりを見てほしいですよね。それがフェスに出る理由でもあるので。

戒：どこに出しても恥ずかしくない自慢のファンです。

――それを言われたファンはうれしいですよね。

戒：太字でお願いします。

REITA：なんか貰おうとしてない？（笑）。

――REITAさんも「UNFINISHED」の〈進む道を照らす君は光〉の歌詞のところでファンを指さしてますもんね。やはりファンは光ですか？

REITA：あはは（笑）。もちろんそうですね。ファンもですし、メンバーにも感謝してます。でも最近RUKIのMCもちょいちょいメンバーを泣かせようとしてるんじゃないかと思う節があります。もしかしてこっそりこっち見てんじゃねぇかなって（笑）。

――ツアー中のMCでもRUKIさんがメンバーへの信頼や感謝を述べていたり、ドキュメンタリーにも随所に仲の良さを感じられるシーンがありますが、メンバーの関係性がとてもいいですよね。

戒：まぁ悪くはないですね！

REITA：僕ら最初の2年以降ワンマンしかやってこなかったので、他のバンドの空気感がわからないんですよね。まぁ大体があんまり仲良くないんでしょうけど（笑）。

戒：2週間ぶりくらいメンバーに会うとちょっとニヤつきますね。

REITA：土産話を話したくてしょうがない！

戒：僕は個人的にメンバーと一緒にいる時の方がテンション感は保てますね。逆に曲作りとかで一人でこもってたりするとめちゃくちゃナイーブになります。だからツアーはすごく楽しいです。テンションを維持できるのはすごく大事で、それはメンバーによるものが大きいですね。

――今お話があったようなメンバーの関係性と並行してthe GazettEの作り込まれたライブへの妥協のないこだわりというものが様々な角度から描かれていて、“一つのものを良くしたい”という信念がよくわかる今回のドキュメンタリーであると思います。どうしてここまでこだわれるんですか？

REITA：なんせ抜いたら自分に返ってきますからね。これが格闘家だったらボコボコにされるじゃないですか。それと一緒で勝ち続けるためにはっていうところはありますね。それにやればやるほどこだわりたくなるし、それこそステージシューズとか細かいところに気付いていくので追及していきたくなるんです。

戒：僕たちは手を抜いたら手を抜いただけのライブをしてしまう素直な人たちなので、手は抜けないですね。それに最近バンドっていつ何がきっかけで終わるかわからないとすごく考えるので、だからこそ後悔したくないっていうのが一番大きいですね。やりきったと思えば素敵な思い出として残るし、手を抜いたら手を抜いただけのものになると思うと自分が許せないので。

――そんな仲のいいメンバーと、そのメンバーのこだわりを収めたドキュメンタリー、そしてそのこだわりの上に成り立ったライブ映像を表裏一体のように見ることができることでthe GazettEのすごさがさらに浮き彫りになりますね。

戒：ありがとうございます。

――そしてthe GazettEは19年目を迎えると思うのですが、これから先どんなthe GazettEでありたいですか？

戒：僕はメンバーもファンも含めてthe GazettEが大好きなので、これからも自分が大好きだと思えるthe GazettEであってくれればいいなと思います。

――自分が一番のファンというか。

戒：そうですね。当然ですけど。

REITA・戒：ウェーイ（拳を合わせる）

一同：（笑）

戒：なかなかこっ恥ずかしいですけど、自分たちで自分たちが好きと言えるのは大事ですよね。

――それがアーティストとして大事だと思います。それは見てても感じますし、ファンもそういうthe GazettEを望んでいると思います。

REITA：正直雑誌とかパラパラめくってて、the GazettEが出てくると「やっぱ違うな」って思いますもん。

戒：それすっげぇ昔から言うよね（笑）。

REITA：でも、見た目から世界観まで、すべてをセルフプロデュースする過程がヴィジュアル系であると思っていて、僕らはこれまでもそうやってきたし、それしか出来ないんですけど、これからもそうやっていくべきだと思ってます。

――今日伺ったこだわりの話も含めた一貫したセルフプロデュースの力がthe GazettEらしさでもあり、魅力ですもんね。

REITA：僕たちはヴィジュアル系なので、“ヴィジュアル系のあり方”というものをずっと自分たちが示していきたいですね。ヴィジュアル系というのはこういうものだと、言ってしまえば“ヴィジュアル系はthe GazettEだけだ”という気持ちでバンドをやっていきたいです。

■リリース情報
『LIVE TOUR18-19 THE NINTH / FINAL「第九」LIVE AT 09.23 YOKOHAMA ARENA』
発売日：2020年3月4日（水）

【初回生産限定盤A】
BD（1枚組）￥12,045+TAX　　
品番：SRXL-229
豪華LPサイズ仕様／撮り下ろしPhoto Book（64P）
LIVE TOUR18-19 THE NINTH / FINAL「第九」LIVE AT 09.23 YOKOHAMA ARENA（本編+アンコール）／2018-2019 TOUR [THE NINTH] DOCUMENTARY

【通常盤A】
BD（1枚組）￥6,727＋TAX　　
品番：SRXL-230
LIVE TOUR18-19 THE NINTH / FINAL「第九」LIVE AT 09.23 YOKOHAMA ARENA（本編+アンコール）

【初回生産限定盤B】
DVD（2枚組）￥11,136＋TAX　
品番：SRBL-1886～1887
豪華LPサイズ仕様／撮り下ろしPhoto Book（64P）
（DISC1）LIVE TOUR18-19 THE NINTH / FINAL「第九」LIVE AT 09.23 YOKOHAMA ARENA（本編）
（DISC2）LIVE TOUR18-19 THE NINTH / FINAL「第九」LIVE AT 09.23 YOKOHAMA ARENA（アンコール）／2018-2019 TOUR [THE NINTH] DOCUMENTARY

【通常盤B】
DVD（2枚組）￥5,818＋TAX　
品番：SRBL-1888～1889
（DISC1）LIVE TOUR18-19 THE NINTH / FINAL「第九」LIVE AT 09.23 YOKOHAMA ARENA（本編）
（DISC2）LIVE TOUR18-19 THE / FINAL「第九」LIVE AT 09.23 YOKOHAMA ARENA（アンコール）

『LIVE IN NEW YORK&WORLD TOUR19 DOCUMENTARY THE NINTH [99.999] 』
発売日：2020年3月4日（水）
BD（1枚組）：￥6,864＋TAX　
品番：SRXL-228
DVD（1枚組）：￥5,955＋TAX　
品番：SRBL-1885

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