アンコールでは、4月から新たな企画として『Loop Night』を始動させること、そしてこの日が『Loop Night vol.0』にあたるライブだったのたということが発表された。初の試みであったため、先述のような伸びしろが見受けられたように、その辺りは回を重ねるごとに成長も期待できるだろう。それにMCで本人が「何だかんだ新曲ばっかりやっている」と言っていたように、この日披露されたオリジナル曲はまだ音源化されていないものが殆どで、この演奏方法に合わせて生まれた曲もあるのだという。それはつまり、新たな表現方法の獲得が彼女にインスピレーションをもたらしたということであり、ミュージシャンとしての成長のきっかけが一つ増えたということでもあるはずだ。

　この「伸びしろ」が今後どう花開いていくのだろうか。バンド、弾き語り、そして『Loop Night』の三本柱を軸にして、自身の世界を拡張させていくAnlyの攻め方に注目していきたい。

■蜂須賀ちなみ
1992年生まれ。横浜市出身。学生時代に「音楽と人」へ寄稿したことをきっかけに、フリーランスのライターとして活動を開始。「リアルサウンド」「ROCKIN’ON JAPAN」「Skream!」「SPICE」などで執筆中。