『ディスコサイケデリカ』リリースインタビュー

ゆるめるモ!、4人の意思が強く反映された自信作を語る 「歌いたいことが明確になってきた」

「苦しいとか楽しいとかひっくるめて全部開放してほしい」(けちょん)

ーー小林愛さん作詞、田家大知さん・ハシダカズマさん作曲、ハシダカズマさん編曲の先行シングル「震えて甦れ」は、<霧がとぎれ 消えていく>の箇所からファンキーになるのも『ディスコサイケデリカ』っぽいですね。半年ぐらい歌って、どんな楽曲になってきましたか?

ようなぴ:わりと挑戦曲であるという認識は変わらなくて。あれを出した時期はゆるめるモ!として一番つらい時期で、それを乗り越えたから今があると思います。4人になったことが、自分たちが思っている以上に世間の目には大きいんだなという実感があって、4人としての形をもがいて探してました。

あの:ああいう曲調で「Only You」みたいに長くなくて好きです。

ーー「Only You」は長くて好きじゃないんですか?

あの:わからない(笑)。「震えて甦れ」は、個人的にサウンドにも少しこだわったから、自分たちの歌がないバージョンも好きです。

けちょん:最初はファンの人たちもついてこれなくて、おどおどじゃないけど乗り方に困ってるように見えたけど、今は難しい曲なりに一緒に楽しんでくれて嬉しいです。あのが言ったみたいに曲自体がかっこいいから、バンドでやるとかっこよさがさらに際立つ気がします。

ようなぴ:むしろオケよりバンドさんとやってるときのほうが好きです。

しふぉん:いまだにつかみが薄い印象はありますけど、納得して出した曲だし、自分たちで歌っていてかっこいいと思ってるし、他のアイドルさんに渡して歌ってほしいぐらい自信があるんです。いまだにアイドルイベントでやるとポカーンとされて、あっけにとられつつ見てくれてるのが面白くて楽しいです。ゆるめるモ!を好きな人はどこかで乗ろうとしてくれるし、セットリストに入れるといいスパイスになるんですよ。

ーー「永遠のmy boy」はSundayカミデさん作詞作曲、告井孝通さん編曲です。甘いラブソングかと思いきや、<バカヤローさ>と出てきます。Sundayカミデさんとも打ち合わせしたのでしょうか?

ようなぴ:打ち合わせはしましたけど、そんなには話してないです。具体的に「こんな曲に」とか一切話してなくて、同じ空気を吸ったぐらい(笑)。

しふぉん:「アイドルさんってキャピキャピしてると思ったけど、そういうのがまったくないんですね」って言われて(笑)。でも、「わかった気がします」と言われて「バカヤロー」になってるんじゃないんですかね?

田家:カミデさんは、そこで何かをつかんだんだと思いますね。

しふぉん:歌割りは「ここを歌いたい」と自分たちで決めたので、いきなりひとりや3人になるから、ライブで見てほしいですね。

けちょん:ゆるめるモ!に新たなスパイスが加わりました。「恋愛だ!」って、受け取ったときの衝撃が大きくて(笑)。しかも深い。

ようなぴ:哀愁漂う恋愛ソングで。

けちょん:最初は歌いこなせるかという不安が強くて。歌詞がひねくれてないから、ストレートに自分の感情を乗せたいなと思いました。

あの:恋愛ソングとはいいつつ、そうではない部分もあると勝手に思っています。あと、サウンドがシューゲイザーっぽくて、アレンジも好みです。

ーー全体として『ディスコサイケデリカ』は、ゆるめるモ!の現在が色濃く投影されていると感じました。いわゆる「アイドル的なもの」へのカウンターに近づいている気もします。

しふぉん:アイドルのフィールドでやってここまできたけど、そっちにも行けたら命が延びるので、近づけたらいいなと思います。まだ伝えたいことがいっぱいあるので。

ようなぴ:「アイドルにはなりたくない」という気持ちは違うし、アイドルはアイドルだけど、アイドルというくくりだけではやってないかな。自分がステージに立って、目の前の人に何かを届けようと思ってるから、最近はジャンルにとどまってないです。伝えたいものに素直にいたいです。

しふぉん:初めて見る人が、自分たちをどう思うかだと思いますね。いい意味でフワフワしていて、ジャンルレスですね。

ようなぴ:ジャンルという概念をすべてとっぱらいたいです。ドルヲタのみんなにもいてほしいし、バンド好きな人にも聴いてもらえる存在になりたいです。

けちょん:同じく。ジャンル関係なくいたいですね。

あの:ジャンルなんてあんまり考えたことないですね。アイドルだという認識はそんなないけど「アイドルじゃない」とも思わないし。でも何かをぶち壊したいんです。それといくら自分たちロックです!とかアイドルです!と言おうが、評価するのは他人だし。やらされてるとかやらされてないとかすぐわかるじゃないですか。

ーー7月7日から『ゆるめるモ!ディスコサイケデリカツアー』が始まります。もう理想や覚悟はいいので、目の前のお客さんとどんなものにしたいかを教えてください。

ようなぴ:「君と僕」とか「目の前の笑顔」とか、近い関係性を歌っている曲が多くて、今まで以上に距離を詰められるし、ディスコだから日頃の苦しみも含めて笑える空間にできると思います。新曲ももう最近のライブで歌っていて、力を実感してて。「これは良いツアーになるぞ」とワクワクしてます。

あの:皆んなの嫌いなクラスメイトとかウザい上司とか苦しめるもの全部何もかもその日だけは無くなっちゃえばいいのになって思う。だから殺します。気持ちよくなってもらえたらいいな。

けちょん:苦しいとか楽しいとか全ての感情をひっくるめて全部開放してほしい。そして一緒に踊りましょう。

しふぉん:みんなが来ないと続けられなくなるんですよ。ライブに足を運んでもらうには、最初の一歩を踏みだしてもらうのが大事で。この立場で言うのは悔しいけど、とにかく本当にライブに来てほしいです。ネットでいろいろ言ってる、偏見を持ってる子にも。アルバムは明るくて楽しくてエモさもあって、みんなを楽しませることができると思うし、何かを感じてもらえると思うから、ライブでもちゃんと伝わるといいなと思います。告知とかじゃ全然伝わらない部分もあるから、ライブに来てほしいです。

(取材・文=宗像明将)

振付担当:南流石からのコメント

今回私は、ゆるめるモ!に初めて会ったんですけど、最高の振り付けの時間でした。適度にゆるく、振り付けを覚えるのがめちゃ早く、ひとりひとりがちゃんと真剣にライブと音楽に向き合ってるというのを、直接会ってみてすごく感じました。私はこれからはゆるめるモ!を応援する皆さんと同じ一員になりたいと思います。最初にゆるめるモ!の振り付けのお話しをいただいたときに、まず私はすぐライブ映像を観ました。そして彼女たちが、アイドルとかミュージシャンとかアーティストとか、いろんな枠に入ってないことにすごく興味を持ちました。ということは、すごく可能性があるということですね。これからどこにでも飛んで行ける可能性を感じて、すごく面白いなと思って、参加することを決めました。私は振付師なんですけど、実はJAGATARAというバンドをやっていたミュージシャンの側面もあります。そして私がやってきた音楽、私が大事にしてきたJAGATARAのバンドメンバーや音楽を、今回プロデューサーの田家さんをはじめ、みんながすごく大事に思ってくれてるということがわかり、より一層ゆるめるモ!が、身近に感じれました。

今回のモイモイピースダンスは、たくさんのピースのダンスをつなげていこうというコンセプトで作ってみました。ゆるめるモ!もファンの皆様も、応援されるのではなく、お互いに応援し合おうと。ちっちゃいピース、大きいピース、人間ピース、いろんな形のピースが出てきます。人それぞれピースの形は違うけど、みんなで絶対に自分のピースを離さないようにつかんで、そしてそのピースを広げていこう。みんなでつながろう。というコンセプト通りの振り付けになってます。いろんなピースの形が何個出てくるかチェックしてね。ぜひみなさんにこのダンスを覚えていただいて、ライブ会場で一体となって、大きなピースができたらいいなというふうに、南流石、心より思っております。

ゆるめるモ!(You'll Melt More!)『スキヤキ(O-EAST Live Version)』(Official Music Video)

 なお、ゆるめるモ!は今回のミニアルバムを携えた全国ツアー『ディスコサイケデリカツアー』を7月7日より開催。チケットは現在発売中だ。

(取材・文=宗像明将)

■リリース情報
『ディスコサイケデリカ』
発売:6月28日
価格:1900円(+税)

1.melted
作曲・編曲:ハシダカズマ(箱庭の室内楽)
2.モイモイ
作詞:小林愛 作曲・編曲:ハシダカズマ(箱庭の室内楽)
3.うんめー
作詞・作曲:大森靖子 編曲:ハシダカズマ(箱庭の室内楽)
4.我が名とは
作詞:小林愛 作曲:田家大知・松坂康司 編曲:松坂康司
5.デテコイ!
作詞・作曲・編曲:ハヤシヒロユキ(POLYSICS)
6.ミュージック 3、4分で終わっちまうよね
作詞:小林愛 作曲:田家大知・M87 編曲:M87
7.震えて甦れ(Remastered)
作詞:小林愛 作曲・田家大知・ハシダカズマ(箱庭の室内楽) 編曲:ハシダカズマ(箱庭の室内楽)
8.永遠のmy boy
作詞・作曲:Sundayカミデ 編曲:告井孝通

■ツアー情報
『ゆるめるモ!ディスコサイケデリカツアー』
7月7日(金)愛知・名古屋SPADE BOX
open 18:30 / start 19:00
7月9日(日)大阪・ESAKA MUSE
open 16:30 / start 17:00
7月16日(日)香川・高松MONSTER
open 15:30 / start 16:00
7月17日(月・祝)福岡DRUM SON
open 15:30 / start 16:00
7月23日(日)東京・赤坂BLITZ
open 17:00 / start 18:00
前売 standing¥4,500 (税込・入場時別途ドリンク代・整理番号付)
当日 standing¥5,000 (税込・入場時別途ドリンク代・整理番号付)
※小学生・中学生・高校生は公演当日に¥1,000キャッシュバックいたします。学生証(保険証)を必ずお持ちください。
一般発売

■関連リンク
ゆるめるモ! オフィシャルサイト

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