ブランド誕生17年目の大進化『ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ kotone』 プロダクトデザイナーの深澤直人氏に直撃!

 1杯約20~25円という圧倒的コストパフォーマンスとアロマとクレマをともなうゴールドブレンド品質という特長……。2009年の誕生以来、日本のコーヒーライフを刷新し続けてきた「ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ」のさらなる飛躍の時がきた。

「暮らしによりそうバリスタ」の所信表明

 ブランドのチャームポイントともいうべき赤い挿し色を用いることなく展開される注目の最新モデル『kotone(コトネ)』は、どんな狙いから、どんな時代観から生み出されたのだろうか? ネスカフェを展開するネスレ日本・吉永祐太氏はこう語る。

ネスカフェ ゴールドブレンドバリスタ kotone(プレミアムホワイト)

「美味しさとコスパという特長をあわせもち、2009年の誕生以来約680万台(ネスレ日本調べ、2025年12月末時点)を出荷しているマシンが[『バリスタ』です。しかし昨今では、QOLの向上、無理なく暮らしアップデートを楽しみたいという意向や意識の広まりもみられます。そうしたニーズによりそうカタチで4年の歳月をかけ生み出されたバリスタの最新モデルが『kotone』です」

ネスレ日本飲料事業本部 レギュラーソリュブルコーヒービジネス部長 吉永祐太氏

 さらに「日常にとけこむ静かで成熟したデザインは深澤直人氏によるもので、『kotone』のチャームポイントとなっています。早朝や深夜でも気兼ねなく使える静音性や設置性に優れるスリムさは、いずれもシリーズ最小レベルへと進化しておりまして、さらに『kotone』ではシリーズ初となる“付け替え可能なコーヒータンク”を採用しました。たとえば『次はカフェインレスが飲みたいな……』といった時でもすぐ対応できます」とは、同事業部の栗山真由子氏。

ネスレ日本飲料事業本部 レギュラーソリュブルコーヒービジネス部 シニアブランドマネジャー 栗山真由子氏

 なるほど。メカ設計の革新による使い勝手の向上と、暮らしになじむデザインという「モノとしてのありよう」をバランスよく整えたマシン、それが「kotone」だと理解できる。ちなみに商品名は和のしとやかさや感性をイメージさせる「琴の音」が由来であるという。

プロダクト界の巨匠・深澤直人氏に直撃インタビュー!

 これまでの「バリスタ」のイメージを刷新するニューフェイス「kotone」。リアルサウンドテック編集部は発表会終了後、プロダクトデザイナー 深澤直人氏にアタック! このデザインに託す思いやエピソードをうかがった。

 開発から4年、「思えばずいぶん時間がかかったな……」

 今回のプロジェクトは、足掛け4年という時間がかかりました。ゼロからの開発というプロセスを考えれば4年というのは決して長すぎる期間ではありませんが、ちょうどプロジェクトが始まった時期がコロナ禍だった影響もあり、終わってみればやはり「ずいぶん時間がかかったな」というのが正直なところです。

 世界各地でコーヒー事業を展開するネスレの日本法人から、「日本的なコーヒーの飲み方に合わせたマシンを作りたい」というオファーを受けてスタートしました。ブレストする時期や関わるスタッフによりさまざまなアイデアや意見が出されるため、非常に取り組みがいのあるプロジェクトだったと言えます。

「親密性」と「さらなるインパクト」からのスタート

「バリスタ」は構造上、粉の導線を考えるとどうしても「縦長」になります。

 実は、以前の赤いマシンを見たときから「かなり個性の強いカタチだな」と感じていました。ただ“レギュラーソリュブルコーヒーを全自動マシンで手間なく楽しむ”という斬新なアプローチにおいては、あえて目を引く個性の強さ自体に、合理的な意味や狙いがあったのだろうと思います。

 ですから、今回の依頼で「あの初期のイメージを踏襲しつつ、もっと親密性のある形にしてほしい」とネスレ側の担当者から言われたときは、「これはなかなか難しいぞ……」と頭を悩ませました。

歴代バリスタ。鮮烈な赤がブランドの象徴となっている。

 その担当者が提示してきた最初のブリーフ(指示書)は、あの赤い楕円のマシンよりもさらにインパクトを求めるようなものでした。ネスレは世界中のSNSやトレンドを鋭く分析した上で戦略を立てているので、彼ら独自の裏付けに導かれた“最適解”だったのでしょう。

 しかし、依頼をそのまま受け入れるのではなく、「どこに置いても邪魔にならない、無駄のないコンパクトなマシン」を作ることこそが自分の領域であり、プロとしての仕事だと考えました。

 意見交換を重ね、方向性を整理することで求められる要件が明確になってからは、一切迷うことなく形を作り上げていくことができました。デザインにおいて迷うことは基本的にありません。

 今回のデザインでこだわったのは、「プロセスの可視化」です。いま、コーヒーマシンで豆が上にセットされていて、それが抽出されていくプロセスを見せるのがひとつのトレンドになっています。kotoneでは、レギュラーソリュブルコーヒーをタンクにセットし、抽出し、カップに注ぐ——その一連のコーヒー体験そのものを、美しく素直なフォルムとして表現しました。だからこそ、スパッと切り落としたような直線基調のシンプルな形に行き着いたのです。

空間に溶け込む「鏡面のグレー」

 今回の製品では3つのカラーバリエーションを提案していますが、どれも非常に良い仕上がりになっています。その中でも、グレーは僕が圧倒的に好きな色です。

ネスカフェ ゴールドブレンドバリスタ kotone(クールグレー)

 かつての日本では、「グレー」は「ネズミ色」「灰色」などと呼ばれていました。どこか作業的で地味な色として捉えられがちで、あまり受け入れられない時代が長く続きました。

 ですが、僕がプロダクトデザイナーになってから……特に20年ほど前に新しいブランドを立ち上げた頃から、あえて「ピカピカの鏡面仕上げのグレー」を積極的に使うようにしたんです。すると、それから数年経って、自動車メーカーもメタリックを入れないベタ塗りのグレー鏡面カラーを採用するようになってきました。今では多くのメーカーがそういったグレーを出していますよね。僕の中にあった思いや感覚が、時間をかけて時代のトレンドとして広がっていったのかなと感じています。

ネスカフェ ゴールドブレンドバリスタ kotone(プレミアムブラック)

これからの「バリスタ」デザイン

 今回のマシンは、専用アプリとの連携などソフト面での進化も大きなテーマになっています。

 これからのプロダクトは、ソフトの更新やAIの搭載によって、ロボットのように機能やコミュニケーションが後から「成長」していく時代になります。今回のデザインは、そうした将来の拡張性を受け止めるためのしっかりとしたベース(基盤)になれたと思っています。

 これからもコーヒーカップのサイズ自体が劇的に変わらない限り、マシンとして美しく機能するプロポーションは、今回のような佇まいに着地していくはずです。

唯一の悩みどころは「色選び」!

 先に深澤氏が紐解いたようにこだわり満載の『ネスカフェ ゴールドブレンド バリスタ kotone』の発売日は10月1日。本体価格は2万2000円(税込)で、カラーはプレミアムブラック、プレミアムホワイト、クールグレーの3種類。

 ちなみに追加の「付け替えタンク」は3300円(税込/こちらも3色展開だ!)。「パパはレギュラー、ママはノンカフェ」といった使い分けニーズに応える注目のオプションと言えるだろう。

 かのチームラボが開発した専用アプリ「Nescafé」(10月1日公開予定)を使うとコーヒーの量や濃さなどをパーソナライズすることができ、さらにコーヒーを飲みながらミッションをクリアすることでポイントが貯まるというお愉しみも。

 ブランド誕生17年目の大進化である。君のコーヒーライフを刷新するカギはどうやら、「ネスカフェ ゴールドブレンドバリスタ kotone」が握っているようだ。

今回の発表会で登壇の皆さん。左から、ネスレ日本の栗山氏、吉永氏、プロダクトデザイナー深澤直人氏、チームラボの堺大輔氏

◎参考情報
https://nescafe.nestle.jp/goldblend-barista/kotone

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