格闘家、YouTuber、実業家という顔をもつ朝倉未来。2024年6月20日よりABEMAにて放送中の番組『Dark Idol（読み：ダークアイドル）』では、アイドルプロデュースに挑戦中だ。『Dark Idol』とは、実業家・朝倉未来が「女性のセカンドチャンスを応援できるプロジェクトを新たに立ち上げたい」という強い思いの元スタートした企画。配信開始前から大きな注目が集まっていたDark Idolだが、その発起人である朝倉のプロデュース力も気になるところ。今回は、素人を次々にスター化させてきた朝倉のプロデュース実績に迫った。

　“路上の伝説”という異名を持ち、日本格闘技界でトップに君臨する朝倉未来。格闘家としてのキャリアを積みながら、2019年5月にYouTubeチャンネル「朝倉未来 Mikuru Asakura」を開設すると、格闘家YouTuberという新たなポジションを確立。現在はメインチャンネルの登録者数は337万人を越えており、人気YouTuberとしても知られている（2024年7月7日時点）。

　朝倉のプロデュース力を世間に広く知らしめたのは、”1分間最強を決める。”というコンセプトのもと、喧嘩自慢の素人やアマチュアの格闘家たちが熱い戦いを繰り広げる総合格闘技イベント『BREAKING DOWN』だ。朝倉の嗅覚をフルに活かした人選で、同企画からはこれまでに数々の人気者が誕生している。

　第4回大会のオーディションで「武器を持っていた10人を1人でボコボコにした」と豪語したものの、直後のテストマッチでわずか数秒で失神K.O負けを喫し、オーディション不合格になるなど鮮烈デビューを飾った「10人ニキ」こと鈴木大輔はそのひとり。同じく第4回大会のオーディションに参加し、ひな壇に座る参加者や応募者に次々とくってかかる姿で視聴者に強烈な印象を植えつけたこめおは、“闘う料理人”という異名がつき、現在は「割烹こめを」を営むまでに進化。それまで無名だった参加者たちがスターとなって活躍している。

　しかし朝倉の真のプロデュース力が発揮されているのは、なにもBREAKING DOWNだけではない。朝倉の動画への出演を機に一気に人気者となった美月をはじめとした”原石”女性の発掘もまた、朝倉の真贋とプロデュース力を象徴するものだ。

　美月発掘後の2023年1月、朝倉は芸能事務所・MAPROMOTIONSを立ち上げたことを報告。当時、ゲスト出演したABEMAの番組『デマ投稿を許さない』では、プロデュース事業について「自分の夢よりも誰かの人生を変えるのがすごく楽しい」と述べており、プロデュースは朝倉の得意分野であることが読み取れる。芸能事務所のなかではまだ新しいMAPROMOTIONSだが、今年3月に小学生の大森ひかるの所属が発表されると、“超スター級”の可能性があるとネット上で大きな話題に。その翌月には朝倉の熱烈ラブコールが実るかたちで元RIZINガール・東海林里咲の加入が実現するなど、注目必至の女性たちの獲得で事務所の勢いは増すばかりだ。

　自身のYouTubeにBreakingDown出場選手のスター化、原石女性の発掘など、これまでに十分すぎるほどのプロデュース実績を残してきた朝倉。そんな朝倉が自らABEMAに持ち込んだのが、現在配信中の女性アイドルオーディション企画『Dark Idol』だ。Dark Idolは挫折や夢に敗れた過去をもつ女性たちに再びチャンスを与え、アイドルとしてデビューするまでのドキュメンタリー。現在は発起人である朝倉をはじめ、第一線で活躍する審査員たちが"訳あり”参加者のなかから逸材を見つけ出している最中だが、同企画のアイドル候補生たちには早くも大きな関心が寄せられている。

　これまで多くの隠れた才能を見つけだしてきた朝倉だが、一体なぜ朝倉が手がける人物は“当たる”のか。朝倉のプロデュースに共通しているのは、常に各々がもつストーリーを重視していること。当人たちのこれまでの辛い経験や暗い過去は、視聴者の「応援したい」という気持ちを掻き立てるカンフル剤のようなものになることもあり、決して明るくはないストーリーに重きを置いた人選が朝倉のプロデュース業における肝と考えられる。

　朝倉のプロデュース実績を振り返ると、大きな可能性を秘めた女性インフルエンサーたちを擁するMAPROMOTONSの代表を務める朝倉が手がける女性プロデュースには再現性があり、訳あり女性たちをアイドルへと変身させるDark Idolのヒットも確実といえる。2024年、朝倉が手がける女性アイドルプロジェクトからどんなアイドルが誕生するのか。朝倉のこだわりである候補者たちのバックグラウンドに注目してみると、より番組が楽しめそうだ。

『Dark Idol』