2024年4月3日、お笑いコンビおぎやはぎが世界中を旅するVlogチャンネル・おぎやはぎトラベルが開設された。おぎやはぎはマイペースなトークで人気を博しているラジオ番組『木曜JUNK おぎやはぎのメガネびいき』や、散歩感覚でアートの世界を紹介する『ぶらぶら美術・博物館』（日本テレビ系）など、芸風も相まって、肩の力を抜いて楽しめる番組を数多く担当している。

　今回新たに始まったおぎやはぎトラベルにも、さっそく“らしい”魅力が存分に発揮されていた。1発目の舞台は韓国。空港に降り立ちタクシーに乗り込んだところ、日本語が上手すぎる運転手・リさんと出会う。昼食を探す2人に、リさんは「人が死んでもわかんない」くらい美味しいとおすすめする参鶏湯を紹介。さっそく向かうことになるのだが、なぜかリさんも一緒に食べるという展開に。

　これにはスタッフも「お2人らしい店の決め方ですね」とコメントした。だが、流されるままに向かった参鶏湯は驚くほど絶品という結果に。このように、目の前で起こったことを楽しみながら乗りこなすスタイルのおぎやはぎに、海外旅行という設定、そして自由度の高いYouTubeは非常にマッチしているように感じた。

テレビとは一風異なる、突き詰めたチャンネルの色

　今回始動したのは“海外旅行”に特化したチャンネルだったが、ほかの人気芸人のYouTubeチャンネルも、なかなか尖った領域で人気を集めている。

　チュートリアルの徳井義実は、キャンプやアウトドア飯に絞った、徳井videoというチャンネルを運営。動画では、普段メディアで目にする“芸能人の徳井”からは見ることのできない、好きなことに没頭するひとりの人間の姿が写しだされている。

　いわゆるYouTuberの定番企画などを行うわけでもなく、サムネイルも徳井が淡々と料理やキャンプに勤しんでいる画が並べられている。数字を貪欲に求めているというよりは、徳井の趣味に興味を持った“見たい人が見る”コンテンツだということが伝わってくる。

　また、人気芸人は本職であるYouTuberや、駆け出しの芸人に比べてYouTubeを収入源の柱にする必要性がそれほどないため、チャンネルのジャンルを狭め、マスに向けた発信はそこまでしなくてもいいとも考えられる。知名度アップや収入確保といった部分は長年地上波などで十分行ってきたからこそ、YouTubeにはまた違う役割を求めているのかもしれない。