新生『Pixel Watch』と『Apple Watch』、“スマートウォッチとしての機能”を比較してみた

 ここまで、Pixel WatchとApple Watchと比べて機能的な違いを見てきた。「Apple Watchと比べる」という視点だと、どうしてもあれができない、これができないとなりがちだが、それらの足りない機能をすべて必要としている人のほうが少ないのではないか。こんなことを書くと「使わない」のと「使えない」のは違うという意見も出てきそうだが、それはその通り。とはいえ、冒頭にも書いたがPixel Watchの完成度は高く、筆者個人としては現状、Androidで利用できるスマートウォッチの決定版ではないかとも感じている。ただし、やはり冒頭に書いた通り、不満点も存在している。

 その不満の1つが『Fitbit Premium』への加入が必要なことだ。これまで、Wear OSスマートウォッチの歩数や心拍、運動や睡眠などのデータは、メーカー個別のサービスが利用されるケースもあるが、基本的には『Google Fit』に集約されていた。しかしPixel Watchでは、Google FitではなくFitbitアプリを利用する。そしてFitbitアプリでは、睡眠スコアなどの詳細なデータを確認するには、Fitbit Premiumの加入が必須となる。Pixel Watchを購入すると6か月は無料で利用できるのだが、その後は月額640円が必要だ。

Pixel Watchの計測データはGoogle FitではなくFitbitアプリに集約される

 もう一つはバッテリー持ちの悪さだ。これはPixel Watchに限ったことではなく、Wear OSスマートウォッチは全体的にバッテリー持ちが悪い傾向にあるのだが、それでも『Galaxy Watch』や『TicWatch』など2日程度はバッテリーが持つ機種もある。それらと比べると、Pixel Watchは公称で最大24時間を謳っているが、画面の常時表示を有効にしていると、19時間~20時間程度しかもたない。本体サイズが小さく、それに伴ってバッテリー容量も少なくなっているのだろう。使い方にもよるのだが、睡眠ログを計測するために寝る前に身に着けると、翌日、仕事から帰宅するまでバッテリーが持つかどうかギリギリといったところだろう。朝起きたら、出かけるまで充電しておく。日中、PC作業を行っているときに机上で小まめに充電するなどの対策は必要かもしれない。

 最後に不満点を2つ挙げたが、言い換えるとこれ以外に目立った不満はない。次期モデルでは、ケースサイズを大きく、そしてバッテリー容量も増えたバージョンの登場も期待したいところだ。

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