とはいえ、数多くのゲームタイトルがYouTube配信される中で、なぜ『Fall Guys』が特別人気を集めたのだろうか。それは、実際に動画を見てみればすぐに分かるとおり、まさに「ひと目で分かる面白さ」が魅力なのだ。実況者が今何をしてるのか、好調なのか、ピンチなのか。ルール説明なしに、すぐにゲームの楽しさを共有できる。デザインもビビットな色合いと滑稽なキャラクターでかなりキャッチー。また、1ラウンドはたった数分で決着がつき、短いスパンでステージが変化するのも視聴者を飽きさせることなく、YouTube配信にも向いている。このように、『Fall Guys』は限りなくYouTubeに対する親和性が高かったのだ。

　一方『Fall Guys』の人気を影から支える存在がある。それが公式Twitterだ。ゲームの情報をリアルタイムで届けるだけでなく、キャラクターの183cmもある身長や、衝撃的な骨格を公開するなど大きな反響を集めた。また直近では好きなステージに関するアンケート調査なども行い、Twitterを利用した市場調査にも踏み出している。積極的な情報提供にはじまり、ユーモア溢れる投稿やアンケートなど、ファンを飽きさせない工夫がされている。

　間もなくリリースから3ヶ月を迎えようとしている『Fall Guys』。シンプルな面白さの中には、考え抜かれたゲーム性やプレイヤーを飽きさせない最大限の工夫があった。YouTube動画としての時代に合ったスタイルも戦略の一つだったのかもしれない。勢いのとどまる所を知らない『Fall Guys』から目が離せない。

■ミキマキ
ゲームを趣味とするフリーライター。新作発売と同時に引きこもりとなる傾向がある。一つの作品をとことんやり込むのがモットーで、とくにマリオカート8デラックスは約3年間、腕を磨き続けている。ゲームの楽しさや作品の魅力を文章で伝えていきます。Twitter