『テラスハウス』東京編、永野芽郁や八村塁らゲストの発言から考える“スタジオメンバーの役割”

 さらにまだ徳井が「家出」する前に出演した八村は、映画の撮影で不在の葉山のピンチヒッターだった。海外リーグで活躍するなど国内に関わらず世界的に有名な八村は、その見識の広さをテラスハウスのコメントで遺憾無く発揮する。当時のスタジオメンバーは「スパイダーマンになりたい」男・流佳の“幼すぎる考え”にフォーカスすることが多く、語学の必要性を説かれた流佳が「勉強するよりも感覚で会話したい」といったことに辛辣なコメントを浴びせる。

 だが、自身も18歳で渡米したという八村は「僕、18歳のときにあっち(アメリカ)に行ったんですけど、それまでは本当に英語喋れなくて」と、経験ゆえの優しさで流佳をフォローする。それぞれのスタジオメンバー不在の際にゲストが入ることで、新たな調和を生み出しより良いコメントにつなげてきた。

 日々変わりゆく世の中の動きに合わせて恋愛の価値観をアップデートさせることは、確かに難しいことかもしれない。しかし恋愛リアリティショーに「物申す」立場として呼ばれているからには、“締めるところは締める”視点も必要だろう。そのためにも中立の立場に立ったり、さりげなくフォローに回れるゲストの存在は大きかったと見受けられる。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

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