香織と春花の本音の言い合いに見えた“変化”とは? 『テラスハウス』第16話未公開映像

「言ってくれてよかった。ありがとう」

 今回の未公開映像のタイトルは、“After Rain Comes Fair Weather”。雨の後には晴れが来るという意味のことわざだ。

 本編(16TH WEEK)で、ふと春花が「香織ちゃんはすごく気使いじゃん? 弱い部分とか全然見せたがらない」と指摘したことから始まった、今回の騒動。その際に、香織はしっかりと本音をさらけ出していた。「春花に言ってたじゃん? 翔平が。ズバズバ言ってくれる子がいいって。自分にはないから、すごく耳が痛かった」、と。香織にとってその指摘はおそらく、最も気にしていたことで、そして他の誰よりも春花にだけは突っ込まれたくないことだったように思う。

 香織の“本音を喋らない問題”は、春花だけでなく翔平も感じていたようだ。香織にそのことを相談された際に、翔平は「どうなんだろうな……」と言葉を濁しつつも、「ちょっとだけ、たまに、みんなに良い顔してんなって思うことはある。それは、俺は気使ってるとは言わないと思ってて」と厳しい意見を口にした。「みんなに良い顔してんな」という言葉は少しキツすぎるようにも感じるが、本気で悩んでいる香織に、いま彼女とは本音でぶつからなければと思ったからこそのチョイスだったのだろう。翔平の心の内を聞いて、思わず涙を流してしまう香織。その姿を見て翔平が、「気使ってて、香織が辛そうに見える、俺は」と最後に添えたのは、きっと彼なりの“気遣い”と優しさゆえ。香織と翔平の気遣いは、似ているようで全く違うように感じる。

 “人に嫌われるのが怖い”香織と“他人に興味がない”ように見える翔平。二人とも客観的に物事が見えて、視野が広い。だからこそ、気遣いが上手で、彼らに救われたテラスハウスメンバーは少なくないはず。だが、根本にある理由が全く違うため、翔平は自然体だが、香織はどこか本音を隠しているように見えてしまうのだ。おそらく、春花はそこに引っかかってしまったのだろう。香織なりに、“リアルな私”でみんなに接しているが、“人に嫌われるのが怖い”ゆえに、良くも悪くも「どう思うかな?」と、相手の気持ちを第一に考えて言動に移す。それが癖付いているため、香織がいくら素を出していると思って接していても、相手には一線引いているように見えてしまうのではないだろうか。香織は、とても繊細で相手の気持ちを想像できる優しい性格なのだ。

 一方で、春花は“自己肯定感が高い”。これは本来いいことではあるのだが、春花の場合は良くも悪くも性格が真っ直ぐすぎるのである。相手の気持ちを汲み取って尊重することよりも、「私はこう思うけど、あなたはどう思うの?」と直接体当たりでぶつかり合いたいタイプのように感じる。香織が「春花は0か100」「私は50」と表現していたように、0か100の春花には、香織の50が理解できない。たとえ本音をさらけ出していても、春花にとって50は0と同じなのだ。

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