ホログラフィック・ディスプレイ実装スマホ「RED HYDROGEN」、2018年後半にアメリカでリリース
映画制作で使われる8Kデジタルカメラを販売しているカメラメーカーのレッド・デジタル・シネマカメラ・カンパニーは2017年8月、「RED HYDROGEN」という名のスマホを開発中であることを明らかにしていた。同スマホは、世界で初めてホログラフィック・ディスプレイを実装するということで一躍脚光を浴びたのだが、ついにリリース時期が明らかとなった。
AT&TとVerizonがキャリアに
テック系メディアのCNETは、5月17日、「RED HYDROGEN」のリリース情報を報じた記事を掲載した。同記事によると、同スマホは今年後半にアメリカの通信会社AT&TとVerizonからリリースされる。同スマホのOSにはAndroidが使われているのだが、価格は1,200ドル(約13万円)を予定している。この価格は、スマホメーカーSamsungがリリースしている最新機種Galaxy S9+(64GB)の839.99ドル(約9万円)、iPhone Xの999ドル(約11万円)と比較してもかなり高額だ。
リリースに先立つ6月2日と3日、ロサンゼルスで催されるAT&T主催の最先端テクノロジーを紹介するイベント「AT&T Shape」で同スマホが披露される予定だ。なお、同スマホの公式予約ページも存在するが、現在は予約できない状態になっている。
いろいろ「初めて」のスマホ
テック系ニュースメディア「スラッシュギア」は17日、その仕様が謎に包まれている「RED HYDROGEN」に関して、現在わかっている仕様をまとめた記事を公開した。まず、ディスプレイは2,560 x 1,440ピクセルの5.7インチであり、画素数はiPhone Xの2,436 x 1,125ピクセルを上回っている。同ディスプレイは「ホログラフィック・ディスプレイ」とも形容され、2D画像はもちろんのことVR&ARコンテンツにも対応する、と言われているが詳細は不明だ。さらに同スマホの独自仕様と思われる4-Viewコンテンツを再生できるのだが、開発元のレッドは「4-Viewコンテンツが何であるか知りたければ、それを見るしかない」とコメントしている。4-Viewコンテンツを見る手段がない現時点では、このコンテンツについても何もわからない。
4-Viewコンテンツを再生・共有するために、同スマホには「RED HYDROGEN ネットワーク」と呼ばれる通信機能が実装される。この機能を使うと、「最先端のゲーム、音楽、そして映画」が楽しめる。4-Viewコンテンツを制作するツールも公開される予定である。
また、同スマホに実装されるバッテリーは大容量のものであり、長時間の使用に耐えられるそうだ。その一方で、スマホ本体の重量は「ほとんどの5.7インチのスマホより約2オンス(約57g)重く」、厚さも競合するスマホに比べて数ミリほど厚い、とのこと。さらに、ポゴピン(スプリングが内蔵された針状の電極)を使って多様なアクセサリーとの接続が可能となっている。そのアクセサリーには、映画撮影用のハイスペックカメラ・モジュールも含まれる。
以上のように、同スマホはスマホの開発実績がないカメラメーカーが開発するだけに、前例のない「トガッた」仕様となっている。