草刈正雄、水谷豊、小林薫 今期ドラマで大活躍する“ベテラン俳優”の共通点を分析
話題作『ポリティカルパン』(フジテレビ系)に出演中の草刈正雄、主演作の『相棒 season25』(テレビ朝日系)が始まった水谷豊、同じく主演作の『深夜食堂』(MBS/TBS系)が第6シーズンとなった小林薫。今も主役級の活躍を続ける3人の俳優は、共に1951~1952年生まれで、同年代だという。70代半ばとは思えない活躍ぶりと、その魅力について考えてみたい。
草刈正雄(74歳/1952年9月5日)
『ポリティカルパン』で草刈が演じているのは、与党副総裁を務める政界の絶対的権力者・小早川士郎。舞台挨拶では、「専門用語が多いものですから、なかなか難しいんですよ。俺の歳では無理ですね(笑)」(※)などと話して笑いを誘っていたが、ドラマの中での存在感は半端ではない。親子二代続けて総理大臣を経験した政治家であり、義理人情に厚い反面、裏切り者には冷徹、端正な顔の下に狡猾さを隠した絶対的なキングメーカーという役どころを、唯一無二の迫力で演じている。
草刈のデビューは1970年代に遡る。ファッションモデル出身らしい甘いマスクとスタイルの良さが際立っており、いわゆる「ハンサム」の代名詞であった。1980年には、壮大なスケールと巨額の製作資金を投じて製作された映画『復活の日』に主演する。当時大スターだったオリビア・ハッセーをヒロインとしたほか、主要な出演者もほとんどが外国人俳優の中、日本人として主役を張るという大役を果たした。
そんな王道イケメン俳優だった草刈だが、1990年代に入り、40代頃になると『南くんの恋人』(1994年/テレビ朝日系)、『イグアナの娘』(1996年/テレビ朝日系)といった作品で、ヒロインの父親役を演じるようになる。その頃は、優しくて見た目もいい、まるでお人形の「リカちゃんのパパ」のような理想の父親を演じることが多かったように思う。
年齢を重ねて主演俳優から名脇役へと自然と移行していった草刈だが、三谷幸喜脚本の大河ドラマ『真田丸』(2016年/NHK総合)で再び大きな注目を浴びる。草刈は、堺雅人演じる真田幸村の父・昌幸を演じた。昌幸はマタギのような毛皮を纏ったワイルドな田舎武将なのだが、大胆で巧妙な策士でもある。一方で、策がないときは「まったくわからん!」と言ってしまうようなあっけらかんさも持っている。そんな昌幸を、草刈はすっとぼけたユーモラスさを持ってコミカルに演じた。たちまち愛されキャラとなり、その死が描かれた後にはSNSで「昌幸ロス」なる現象まで起こした。
その後の出演作、NHK連続テレビ小説『なつぞら』(2019年度前期)では、ただ優しいだけではない、厳しさと哲学を持った北海道の牧場主・泰樹を演じた。孤児である主人公・なつに「一番悪いのは人がなんとかしてくれると思って生きることじゃ」といった含蓄のある言葉をかける。以前演じていた「パパ」とはまた違う、深い父性を感じさせるものだった。