『あにいもうと』で12年ぶりテレビドラマ主演! 榮倉奈々が積み重ねてきた圧倒的な表現力
そして、2009年。榮倉は役者としてひとつの転機を迎えることになる。持ち味である天真爛漫さを存分に発揮した『メイちゃんの執事』(フジテレビ系)と、病と闘いながらも、愛する人との未来を信じ続けた長島千恵さんの実話をもとに制作された映画『余命1ヶ月の花嫁』。まったく異なる表現が求められる2作品で、榮倉は役者としての引き出しの多さを見せつけた。
なかでも、『余命1ヶ月の花嫁』で印象的だったのが、パートナーに「生きてる?」と尋ねるシーン。何気ない会話の一つひとつが、余命宣告を受けた彼女の口から発せられることで、まったく違う重みを帯びてくる。明日が来ることは、決して当たり前ではない。その切実さを感じさせる榮倉の演技に、胸が締めつけられた。ちなみに、榮倉はこの作品で第33回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞している。
そんな彼女の役者人生を語る上で、欠かすことができない作品といえば、やはり『Nのために』だろう。ベストセラー作家・湊かなえの小説を原作としたこのドラマは、ある殺人事件をめぐる男女の愛と罪を描いた純愛ミステリー。榮倉は、裕福で何不自由ない生活を送ってきたはずが、父が愛人を作ったことで、人生が狂っていく杉下希美を演じていた。
ネタバレになるため詳細は控えるが、「(究極の愛とは)罪の共有。共犯じゃなくて、共有。誰にも知られずに、相手の罪を自分が半分引き受けること。誰にもっていうのは、もちろん相手にも。罪を引き受け、黙って身を引く」という希美の台詞にもあるように、本作はさまざまな究極の愛の形を描いた複雑な作品だった。
とりわけ印象的だったのは、希美が見せる笑顔。どんなにつらい状況に置かれても、彼女は笑おうとする。しかし、その笑顔の奥には、簡単には言葉にできない悲しみや葛藤が隠されていて……。かつて、『瞳』で見せていた太陽のような笑顔が、本作では切なさを感じさせるものになっていたのが印象深い。
そんな『Nのために』から12年。榮倉が再び主演として挑む『あにいもうと』もまた、複雑な事情を抱えた男女の愛を描く作品だ。上記に挙げた作品のほかにも、『泣かないと決めた日』(フジテレビ系)や『黒の女教師』(TBS系)など、彼女には“代表作”と呼びたくなる作品がいくつもある。そんな榮倉のキャリアに、またひとつ忘れられない作品が加わる予感がする。
■放送情報
サタデードラマ10『あにいもうと』
テレビ朝日系にて、10月17日(土)スタート 毎週土曜22:00~22:54放送
出演:榮倉奈々、赤楚衛二、宮﨑優、木村達成、仲村トオル、原田美枝子、高橋克実、竹下景子、富田靖子、伊勢志摩、戸塚純貴、中川大輔、大原優乃
脚本:吉田紀子
音楽:世武裕子
主題歌:Uru「それなのに」(ソニー・ミュージックレーベルズ)
ゼネラルプロデューサー:中川慎子(テレビ朝日)
プロデューサー:田中真由子(テレビ朝日)、古草昌実(テレビ朝日)、奥村麻美子(ホリプロ)
演出:新城毅彦、星野和成、中村圭良
制作協力:ホリプロ
制作著作:テレビ朝日
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