小林虎之介が『風、薫る』で得た確かな手応え 見上愛とは「あえてたくさんは喋らない」
一ノ瀬家への少しの嫉妬と、飾らない素顔
ーー見上さん以外の一ノ瀬家の皆さんとは、どのようなコミュニケーションをとられていますか?
小林:僕が現場にいない間に一ノ瀬家の撮影がたくさんあって、会うたびに本当の家族みたいに仲良くなっているんです。だから最近は、ちょっと置いていかれているような気分になって嫉妬しています(笑)。でも本当に温かい方ばかりで、水野(美紀)さんは人柄も素敵でお芝居もユニークで助けられていますし、北村一輝さんは作品によっては怖い役のイメージがあると思うんですが、実は虫がすごく苦手だったりして。「このギャップは絶対モテるだろうな」と思いながら現場で見ていましたね。
ーーりんの妹・安役の早坂美海さんとはいかがでしたか?
小林:早坂さんはすごく人見知りで、最初の頃はずっと隅っこでマネージャーさんと2人でちっちゃく喋っていたんです。輪に入ってほしいなと思って僕から話しかけたりしたんですが、本人も人見知りで悩んでいたみたいで。だから、「うまくおしゃべりするのが難しかったら、1日の始まりに大きい声で挨拶すると良いかもね。それだけで結構印象がいいから」とアドバイスしました。そこから少しずつ打ち解けていきましたね。
ーー第2週では、実家に逃げ帰ってきたりんを、虎太郎が助けて東京へ送り出すという大きな見せ場がありました。
小林:第1週の幼なじみの頃は「りんをお嫁さんに迎えたい」という気持ちがあったと思うんですが、第2週になると、彼女が別の場所で結婚していることもあり、旦那さんになることは半ば諦めているんです。でも、好きな女性であることには変わりないので、「苦しんでいるなら助けてあげたい」という、恋愛というよりは“大切な人を守る”という感覚ですね。
ーー虎太郎の男気が試されるシーンですね。
小林:僕も演じていて、虎太郎にとってこれまでで一番男らしいシーンなのかなと思いました。身を呈してりんたちを東京に送り出す場面は、自分は東京に行けない悔しさもありつつ、「奥田家から切り離して、東京で普通の生活を送ってほしい」という願いが込められています。奥田家の人間が来たら、戦う気でいたと思いますよ。
恋のライバル・島田(佐野晶哉)への対抗心
ーー公式SNSでは、気になるキャラクターに「島田健次郎(佐野晶哉)」を挙げていらっしゃいました。視聴者の間でも「虎太郎派」と「島田派」に分かれそうですが……。
小林:そうなんです。現場のスタッフさんから「視聴者の中で派閥が分かれるだろうね」と聞いたので、まだ会ったこともないのに島田って答えました(笑)。今回の東京へ送り出すシーンに関しては、「島田にはこんなことできないだろうな」という優越感を持っています。ただ、佐野さんはアイドルもされていますからね……厳しい戦いになるかもしれないです(笑)。
ーー最後に、ご自身のお芝居の反響をどう受け止めていきたいですか?
小林:実は僕、自分がドラマに出ているのを観るのが恥ずかしくて、完パケ映像を観るのが一番怖いんです。放送を観ても「もうちょっとこうだったらな」と反省することばかりなので……。でも今回、朝ドラという現場に立てたことや、所作を学べたことは、自分の中にまだ未熟な面があると自覚できたという意味でも、すごくいい収穫になりました。純粋に「このドラマ、本当に面白いな」と言ってくださる方が多ければ多いほど、うれしいですね。
■放送情報
2026年度前期 NHK連続テレビ小説『風、薫る』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00~8:15放送/毎週月曜~金曜12:45~13:00再放送
NHK BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜8:15~9:30再放送
NHK BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30~7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
NHK ONEにて、同時・見逃し配信
出演:見上愛、上坂樹里
脚本:吉澤智子
原案:田中ひかる『明治のナイチンゲール 大関和物語』
制作統括:松園武大
プロデューサー:川口俊介
演出:佐々木善春、橋本万葉ほか
写真提供=NHK