12月19日に公開されるエドワード・ヤン監督作『ヤンヤン 夏の想い出』4Kレストア版の本編映像と場面写真が公開された。

　本作は、少年とその家族が経験するひと夏の出来事を描いた青春映画。台湾と日本合作で製作され、台北と東京、熱海を舞台とし、イッセー尾形ら日本の俳優陣も参加した。

　2000年に第53回カンヌ国際映画祭にて監督賞を受賞した本作は、東京国際映画祭、トロント国際映画祭など世界の映画祭にて上映。4Kレストア化されると、2025年の第78回カンヌ国際映画祭クラシック部門のオープニング作品としてお披露目され、惜しみない賛辞を受けた。

　学生のヤンヤンは、コンピュータ会社を経営する父、そして母、姉、祖母と共に台北の高級マンションで幸せを絵に描いたような暮らしをしていた。だが母の弟の結婚式を境に、一家の歯車は狂いはじめる。祖母は脳卒中で入院。父は初恋の人にバッタリ再会して心揺らぎ、母は新興宗教に走る。そして父は、行き詰まった会社の経営を立て直すべく、天才的ゲーム・デザイナー大田と契約するため日本へと旅立つのだが……。

　公開された本編映像では、ヤンヤンの父 NJ（ウー・ニェンツェン）が会社再建のため、切れ者のゲ ーム・プログラマー大田（イッセー尾形）と対話する一幕が。会社の経営危機に瀕したNJの気弱な発言に対し、大田は自身の会社も直近の業績が不振であることを前置きしつつ、そんな状況だからこそ新しいことに挑戦する意義を説く。映像では、「なぜ私たちは“初めて”を恐れるのか？」 という印象的なセリフも盛り込まれている。

　また、日本の熱海で撮影されたシーンの一部と場面写真も到着。熱海のつるやホテルは2001年に惜しまれつつ閉館。NJが再会した初恋の人シェリーとともに歩く熱海の海辺の風景や、バブル期の活況を経てのどかに佇む熱海を代表する老舗つるやホテルの外観など、ノスタルジックな風景やアイテムの数々が確認できる。

■公開情報
『ヤンヤン 夏の想い出』
12月19日（金）より、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下、シネスイッチ銀座、109シネマズプレミアム新宿ほか全国公開
出演：ウー・ニエンジェン、エレン・ジン、イッセー尾形、ジョナサン・チャン、ケリー・リー
監督・脚本：エドワード・ヤン
プロデューサー：河井真也、附田斉子
アソシエイト・プロデューサー：ユー・ウェイエン、久保田修
撮影：ヤン・ウェイハン
照明：リー・ロンユー
編集：チェン・ポーウェン
録音：ドゥ・ドゥーツ
美術・音楽：ペン・カイリー
配給：ポニーキャニオン
2000年／台湾・日本合作映画／173分
©1+2 Seisaku Iinkai
公式サイト：https://yi-yi.jp