時代の流れについていく感度の高さを持ち合わせながら、芯の部分は全くぶれない。これこそ、役者・小泉今日子の魅力だと筆者は考える。

　このドラマが始まる際、小泉は「吉野千明と長倉和平はこの11年間、相変わらず悩んだり躓いたりしながらもそれなりに楽しく生きてきたのだと思います。変わらないことと、変わらなきゃならないこと。そんな大人の葛藤を今回も楽しんでいただけたらと思っています」とコメントを残していた（※）。

　これは決して吉野千明や長倉和平に限ったことではない。きっと小泉自身も「変わらないことと、変わらなきゃならないこと」に葛藤しながらも、常に前進し続けてきたのではないか、そう考える。

　先述したように、小泉はこの11年の間、積極的にSNSやオンライン上での発信にも挑戦してきた。その姿勢からは、変化を恐れずに時代の流れに柔軟に対応しようとする意思が感じられる。

　さらに、コロナ禍を挟んだことで、テレビ局の制作体制も大きく変化。撮影や宣伝活動が前倒しで組まれるようになったり、1つ1つの工程にかけられる時間も限られてきた印象がある。そうした中でも、自身の中にある軸を見失わずに、変化に順応し続けるには、これまで以上の試行錯誤が求められたに違わない。

　同シリーズのファンからの評価も高かった第1話。第2話以降、世間的に多様化されている“結婚観”や“人生観”に千明がどう向き合うのか。そして、千秋を演じる小泉は、そんな千秋の日常をどのように展開してくれるのか。今から楽しみだ。

参照
※ https://realsound.jp/movie/2025/03/post-1953842.html

■放送情報
『続・続・最後から二番目の恋』
フジテレビ系にて、毎週月曜21:00～21:54放送
出演：小泉今日子、中井貴一、坂口憲二、内田有紀、飯島直子、久保田磨希、松尾諭、佐津川愛美、白本彩奈、広山詞葉、美保純、柴田理恵、浅野和之、渡辺真起子、森口博子、石田ひかり、三浦友和ほか
脚本：岡田惠和
プロデュース：若松央樹（フジテレビ）、浅野澄美、郷田悠（FCC）
演出：楢木野礼、高橋由妃、西岡和宏（フジテレビ）
主題歌：浜崎あゆみ「mimosa」（avex trax）
制作協力：FCC
制作著作：フジテレビ
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