前作から6年間の各キャラクターの変化が回を重ねるごとに魅力的に描かれているTBS系日曜劇場『ブラックペアン シーズン2』。もっとも成長したと言える世良（竹内涼真）と共に、はっきりと“大人”になったと感じるのが、葵わかなが演じる花房美和だ。前作では頼りなかった美和も、本作では頼れる存在として東城大に欠かせない人物になっている。自身の役者としての成長ともシンクロする美和を葵はどんな思いで演じているのか。第1話の放送前にじっくりと話を聞いた。（編集部）【インタビューの最後にはチェキプレゼント企画あり】

『ブラックペアン』チームの一体感は前作以上

――久々にキャストのみなさんと顔を合わせたときには、どんなお気持ちでしたか？

葵わかな（以下、葵）：前作と同じメンバーでシーズン2ができるなんてあまりないことだと思いますし、6年という長い時間が経っていたので、同窓会のような感覚もありました。それぞれが過ごしてきた年月があって、また集結できることが本当に嬉しかったです。

――懐かしいお話をされたりも？

葵：「手術シーンってこんな感じだったよね」とか「こんな器械出てきたよね」とか、シーズン1のときの話は、今でもよく喋っています。医局のセットは当時と同じものを使っているので、みんな「その懐かしさったらない！」という感じで（笑）。「ここでこんなことがあったよね？」といった話で盛り上がります。

――前作から引き続き美和を演じますが、プロデューサーや監督とどのようにキャラクターを作られたのでしょうか？

葵：やはり前作から月日が経って、“新人ではなくなった姿”を一番強調したいということで、最初に声のトーンについてお話しました。私は気づかなかったのですが、前回のときよりも地声が低くなっているみたいで、最初はそれを前回の高さに戻すか、むしろ少し低めに喋ったほうがしっかり感が出るのかなという話にもなりました。あとは前回に比べて、キャラクターのバックボーンが見えてくる回があります。美和の生い立ちというか、深いところまで監督と想いを巡らせているので、それがすごく新鮮です。シーズン1から付き合ってきた愛着のあるキャラクターなので、丁寧に考えながら作っています。

――シーズン1では描かれなかった、美和の過去が明かされるんですね。

葵：ネタバレになってしまうので詳しくはお話できないのですが、あることをきっかけに美和が過去を振り返るんです。私としては、それによって美和がどうしてこういう性格になったのか、すごく腑に落ちました。美和としても、きっと27歳の今、再びその物事に触れることで、また一つ成長できるきっかけになるんじゃないかなと思っています。

――あらためて、撮影に入ってみての感想を教えてください。

葵：前回のことを忘れているように思えて、体が覚えているというか。こんなにタイミングが合うチームはあまりないかなと思います。私は今回から医療シーンに参加していますが、みなさんの呼吸の合い方がすごいです。俳優陣だけでなく、医療監修の先生とのコンビネーションも含めて、前作の下地があるからスムーズですし、より深いものになっていると思います。とくに手術シーンは、外から見ていても圧巻です。

――いろいろな作品を経験される中で「この現場ならではだな」と感じるのも、やはりそのあたりですか？

葵：そうですね、手術シーンは前作に引き続いてこの作品の大きな魅力だと思います。撮影にすごく時間がかかるけれど、「みんなで乗り越えていこう！」というチーム感は、前回以上に強くなっているように感じます。

――今回の撮影で、苦労したことや難しかったことも聞かせてください。

葵：まだ撮影に入って間もないので、美和のパーソナルな部分の撮影はこれからになります。より丁寧に演じていきたいと思っています。それから、以前の美和は渡海先生（二宮和也）を後ろから見ているようなことが多かったけれど、今回は天城先生（二宮和也）や世良先生とより深く関わっていく中で、先生それぞれが自分の“信念”や“正義”を持っていらっしゃるなと感じていて。それが「美和にとっては何なのか」を問われる瞬間がある気がしているので、そういったものをどう提示するのか。先生に対しての気持ちはどうなのか、どう天城先生を見つめる立場になっていくのか、そこを表現するシーンは難しいだろうなと思っています。