VTuberの絵文字・推しマークのルーツをたどる 少ない文字数で「好き」を表現する便利な文化はどこから来た?
「推し活」がすっかりメジャーな用語になった昨今。VTuberの推し活もとても盛んに行われている。その中で定着しているもののひとつが、SNSで自分の名前に、推しVTuberの絵文字=推しマークを付ける文化だろう。
たとえば、ホロライブのVTuber・星街すいせいの場合、公式で使われている絵文字は彗星を表す「☄」だ。 本人もX(旧・Twitter)で、自身を表す絵文字として、名前の後にこの絵文字を入れている。
☄️NEW MUSIC VIDEO☄️
『#ゾンビゾンビゾンビ』Vocal: #星街すいせい
Lyrics, Music, Arrangement:なとり
Guitar:TAKU INOUE
Bass:西月麗音🎧配信リリースhttps://t.co/0oT2F5meAu #星街すいせいハロウィーン pic.twitter.com/SFpmA5EW6C
— 星街すいせい☄️Studio STELLAR (@suisei_hosimati) October 24, 2026
ファンの側は、こうした推しマークを自身の名前の後ろに付けることで、「誰を推しているか」を表現している。たとえば筆者の名前を用いた場合なら「たまごまご☄」という表記になる。たとえばXで「☄」を検索すると、この絵文字を推しマークとして使っているアカウントがたくさん出てくる。ファンネーム「星詠み」と併用している人も多いようだ。
では複数のVTuberのファン、たとえば星街すいせいと兎田ぺこらの両方のファンの場合はどうなるかというと、名前の後ろにそのまま並べるのがメジャーなスタイルだ。
たとえば兎田ぺこらの推しマークはバニーガールの「👯♀️」。仮に筆者が両方推しているのを示す場合には「たまごまご☄👯♀️」となる。
また昨今はVTuber自体の数もものすごく増えており、絵文字も被る可能性がすっかり高くなってしまった。その場合は、推しマーク自体を「2つの絵文字を組み合わせたものにする」という手法も取られている。たとえば桃鈴ねねの場合は、桃と餃子をふたつ並べた「🍑🥟」という絵文字を使っている。
- Windowsのブラウザ表示の場合
もし筆者が「星街すいせいと兎田ぺこらと桃鈴ねねの3人を推している」と表現する場合は、「たまごまご☄👯♀️🍑🥟」となる。こうなると、知らない人からは3人を推しているのか4人を推しているのか分かりづらくはなるが、そこに関してはあまり厳密なルールはないようで、「分かる人だけ分かれば十分、むしろ分かる人は同志」くらいの感覚で使われているようだ。
VTuberシーンにおいて、このスタイル・文化はすっかり定着した。そのため、VTuberがデビューする際、初配信で「配信ハッシュタグ」「ファンネーム」「絵文字」を決める/発表するのが今や定番の流れになりつつある。むしろファンであることの表明として、無いと困る、という人もいるだろう。
VTuberたちがどのような絵文字を使っているかを知るには、「v-data」(https://v-data.info/) というWEBサイトを参照すると分かりやすい。絵文字やキャラデザインの雰囲気、担当したイラストレーターやモデラー(いわゆるパパ、ママ)、所属するグループなど、さまざまな条件からVTuberを検索することができるサービスだ。名前を入れるとどんな絵文字を使っているかがすぐ出てくる仕組みになっている。もちろん、これは有志によって作られた非公式サービスなので、最終的には使用されている絵文字や情報が正しいかどうか、自身で調べる必要がある。しかし、いかに絵文字・推しマーク文化が普及しているかの目安にはなるだろう。
そんなVTuberシーンにおける推しマーク文化は、いつから存在したのだろうか。今となっては絵文字をVTuberが決め、ファンが推しマークとして活用するのは当たり前になってきているが、シーン黎明期からそうだったわけではない。それに、そもそも絵文字・推しマーク文化はVTuber界隈だけのものではない。過去にどのような流れがあってVTuberシーンに定着してきたのか、本稿では調査してわかった歴史の一部をご紹介しよう。