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『iPhone Duo』は買い? 36万円超の価格に納得できる人、できない人の境界線を考える

 Apple初の折りたたみiPhone『iPhone Duo』が、10月23日に発売される。予約は10月16日午後9時から始まる。価格は256GBモデルが36万4800円、512GBモデルが39万9800円、1TBモデルが46万9800円、2TBモデルは57万4800円だ。

 スマートフォンに36万円以上を支払うと聞けば、高すぎると感じる人もいるだろう。一方で、折りたたみ式の大画面を使えることに魅力を感じ、価格に納得する人もいるはずだ。では、『iPhone Duo』は、どんな人なら36万円以上を支払う価値があると感じられるのだろうか。

 『iPhone Duo』は、画面を開くと約7.6インチの大画面を使える一方、閉じればスマートフォンとして持ち歩けるなど、従来のiPhoneにはない使い方ができるが、大画面での作業やコンテンツ視聴が目的なら、iPhoneとiPadを使い分ける方法もある。価格と機能を比べながら、どのような人なら『iPhone Duo』を「買い」と判断できるのか、その境界線を探ってみたい。

そもそもなぜ『iPhone Duo』は36万円を超えるのか

 『iPhone Duo』は、製品の特徴とともに、その価格も大きな話題になっている。256GBモデルでも36万4800円と、一般的なスマートフォンと比べてかなり高額だ。なぜ、これほどの価格になるのだろうか。

 考えられる理由のひとつが、折りたたみ構造に必要な部品や設計のコストだ。『iPhone Duo』は、開くと約7.6インチ、閉じると約5.4インチのディスプレイを使える。通常のiPhoneとは異なり、2枚のディスプレイに加え、画面を開閉するための精密なヒンジも必要になる。

 ディスプレイには、開閉を繰り返しても使い続けられる耐久性や、折り目を目立ちにくくする技術が求められる。さらに、閉じた状態でも持ち歩きやすい薄さに収めるには、バッテリーや基板などの配置にも工夫が必要だ。大画面と携帯性、耐久性を両立させるための設計や製造工程が、コストを押し上げる要因になっていると考えられる。日本での販売価格には、為替の影響も関係する。折りたたみ構造に必要な部品や技術、製造工程にかかるコストなども、36万円を超える価格の要因になっていると考えられる。

 もっとも、価格の背景が分かっても、その価格に見合う価値があるかは別の話だ。次に、『iPhone 18 Pro Max』との価格差と使い勝手を比較しながら、『iPhone Duo』を選ぶ意味を考えてみたい。

『iPhone 18 Pro Max』との差額12万5000円で何が変わるのか

先日発売した『iPhone 18 Pro Max』

 次に比較したいのが、従来型のiPhoneとの価格差だ。『iPhone Duo』の256GBモデルは36万4800円、『iPhone 18 Pro Max』の256GBモデルは23万9800円で、その差額は12万5000円に上る。

 この差額で得られるのが、開くと約7.6インチになる大画面だ。閉じた状態では約5.4インチのスマートフォンとして使い、必要に応じて画面を広げられる。ウェブサイトや資料の細かい文字を確認したり、動画を大きな画面で楽しんだりと、表示領域の広さを生かせる場面は多い。

 仕事で使う場合も、資料を確認しながらメモを取るなど、複数の情報を見比べる場面で役立つ。ただし、大画面をどこまで活用できるかは、アプリが『iPhone Duo』に適切に対応しているかにも左右されるため、よく使うアプリの対応状況には気を配っておこう。

(画像:Apple)

 折りたたみ構造ならではの使い方もある。本体を半開きにして机に置けば、動画視聴やビデオ通話に使えるほか、セルフタイマーでの撮影時にも便利だ。スマートフォンを手で持たずに使える場面が増えるのは、一般的なiPhoneにはない利点といえる。

 一方、閉じた状態での操作性は購入前に確かめておきたい。実際に触ってみると、片手でも操作できたものの、本体の横幅はやや広い。キーボードでフリック入力をする際には扱いづらさを感じる可能性があり、普段からスマートフォンで長文を入力する人は注意したい。

 本体重量は254g、閉じた状態での厚さは約11.3mm。大画面を使える反面、一般的なスマートフォンと比べて重く、厚みもある。毎日持ち歩く端末だからこそ、画面の広さと引き換えになるサイズ感を許容できるかが判断のポイントになる。

 カメラ構成にも違いがある。『iPhone Duo』の背面には4800万画素のメインカメラと超広角カメラを搭載し、メインカメラによる2倍相当の撮影にも対応する。ただし、独立した望遠カメラは非搭載のため、遠くの被写体を撮る機会が多いなら、望遠カメラを搭載する『iPhone 18 Pro Max』の方が便利だろう。

 『iPhone Duo』を選ぶ価値があるかどうかは、広い画面や折りたたみ構造をどれだけ活用できるかによって変わってくる。仕事や動画視聴などで大画面を使いたい人には魅力的な選択肢だが、携帯性やカメラ性能を重視するなら、『iPhone 18 Pro Max』も十分に検討する価値がある。12万5000円の差額を払ってでも欲しい機能があるか、自分の使い方に照らして判断したい。

タブレットの代わりになるか 競合製品との違いも比較

筆者も愛用している『iPad mini(A17 Pro)』

 スマートフォンとタブレットを別々に持ち歩いている人にとっては、端末を1台にまとめられることも魅力になる。たとえば、外出先で資料を確認したり、移動中に動画を見たりするために『iPad mini』を持ち歩いているなら、『iPhone Duo』でどこまで代用できるかを考えてみたい。

 ウェブサイトや電子書籍の閲覧なら、大画面を生かして快適に使える場面も多い。一方、長文の入力や複数の資料を並べての作業では、タブレットのほうが扱いやすいこともある。画面が大きくなることで使い方の幅は広がるが、作業内容によって向き不向きは分かれそうだ。

 すでにiPhoneとiPadを所有している人は、買い替えにかかる費用も含めて検討したい。タブレットの用途を『iPhone Duo』に集約できれば、持ち運ぶ端末を減らせるうえ、2台分の購入費用を見直すきっかけにもなる。反対に、スマートフォンとタブレットを用途に応じて使い分けている人は、それぞれを使い続けるほうが合理的な場合もある。

 価格を左右するもうひとつの要素が、ストレージ容量だ。256GBモデルと512GBモデルの差は3万5000円。1TBモデルは46万9800円、2TBモデルは57万4800円で、256GBモデルからの価格差は21万円に達する。

 写真や動画を大量に保存したり、容量の大きなゲームを複数インストールするなら、大容量モデルが頼もしい。ただし、必要な容量は普段の使い方によって変わってくる上に、クラウドストレージを活用する方法も含め、保存するデータの量を踏まえて選びたい。

競合であるサムスンの折りたたみスマホ『Galaxy Z Fold8』

 折りたたみスマートフォンを検討するなら、競合製品との比較も欠かせない。『Galaxy Z Fold8』は256GBモデルが26万9880円からで、『iPhone Duo』の256GBモデルとは9万4920円の価格差がある。重量にも違いがあり、『Galaxy Z Fold8』は約201g、『iPhone Duo』は254g。『iPhone Duo』のほうが53g重い。

 この差は、使い方によって評価が分かれるところだ。『iPhone Duo』も重すぎるということはないが、『Galaxy Z Fold8』を手に持ったあとだと後者のほうが一層軽さを感じる。毎日持ち歩くなら重量は気になる要素だが、大画面を仕事や趣味に活用する人にとっては、画面の広さや複数のアプリを扱う際の操作性の方が重要と言えるだろう。価格だけでなく、こうした使い勝手まで含めて比べることで、自分に合った製品を選びやすくなる。

 OSや対応アプリ、カメラ、マルチタスク機能も製品ごとに異なる。特に大画面での作業を重視するなら、アプリを並べて使ったときの操作性や、端末の開閉に伴う画面の切り替わりを確認しておきたい。画面サイズの数字だけでは見えてこない違いが、日々の使いやすさを左右する。

 本体価格だけでなく、購入後にかかる費用も予算に含めておこう。高額な端末だけに、故障時の修理費用も気になるところだ。「AppleCare+」への加入を考えているなら、保証料金を含めた総額で検討したい。

 『iPhone Duo』向けの「AppleCare+ 盗難・紛失プラン」は、月額2980円または年額2万9800円。年額で3年間加入すると、保証料金の合計は8万9400円になる。月額払いを3年間続けた場合は10万7280円だ。

 この料金を本体価格に加えると、256GBモデルは年額払いで45万4200円、月額払いで47万2080円となる。保証への加入は任意だが、ケースなどのアクセサリーも含め、購入時に必要な金額をあらかじめ見積もっておきたい。

 長く使うつもりなら、折りたたみ機構の耐久性も気になる。ディスプレイやヒンジが数年にわたる使用でどのように変化するかは、発売前の情報だけでは判断しにくい。実際の使用例や修理に関する情報が蓄積されていけば、長期利用を考えるうえでの参考になるはずだ。

『iPhone Duo』が向いている人とは

 ここまでを踏まえると、『iPhone Duo』を「買い」と判断する境界線は、価格の高さそのものよりも、折りたたみ構造によって得られる利便性をどれだけ活用できるかにある。

 例えば、外出先でも大画面で資料を確認したい人や、複数のアプリを使いながら作業したい人、スマートフォンと小型タブレットを1台にまとめたい人なら、36万円を超える価格にも納得できる可能性がある。特に、タブレットを持ち歩く機会が多く、スマートフォンと用途が重なっている人にとっては、端末を集約できることも購入する理由になるだろう。

 逆に、メッセージやSNS、写真撮影が中心で、大画面を使う機会があまりない人にとっては、12万5000円の差額を支払うメリットは感じにくいはずだ。軽さや片手操作、望遠撮影を重視する人も、『iPhone 18 Pro Max』など従来型のiPhoneを選ぶほうが満足できるかもしれない。

 さらに、ストレージ容量や保証料金まで含めると、実際に必要な予算は本体価格より大きくなる。大画面を使う頻度やタブレットを代替できる可能性、携帯性、カメラ性能、維持費を比較し、自分にとって必要な機能にどこまでお金をかけられるかを考えたい。

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