選択に迷う少女とヴィヴァルディの関係性を映す 『ヴィヴァルディと私』予告編&場面写真

 5月22日に公開されるイタリア映画『ヴィヴァルディと私』の予告編と場面写真が公開された。

 本作は、18世紀初頭のヴェネチアに実在したピエタ院を舞台に、ヴァイオリン教師として赴任したアントニオ・ヴィヴァルディと、孤児の少女チェチリアが音楽を通して希望を切り開いていく物語。幼少期から名手として有名だった父からヴァイオリンを学んでいたヴィ
ヴァルディは25歳で司祭となるが、ソナタ集などを出版し、音楽家としての道を歩んでいた。同年、ヴェネツィアのピエタ院でのヴァイオリン教師に任命され、少女たちに音楽を教え始めると、彼女たちの演奏は輝き、世界最高のオーケストラと賞され、ヨーロッパ各地の貴族や知識人たちを魅了していった。そして、ヴィヴァルディはピエタ院で奉職中、彼の代表作となる「四季」やオラトリオ「勝利のユディータ」を生み出した。

 監督を務めたのは、オペラ演出家として世界に名を馳せ、ミラノ・コルティナ冬季五輪開・閉会式でクリエイティブ・ディレクターを務めたダミアーノ・ミキエレット。本作が長編映画監督デビューとなった。チェチリアを演じるのは、TVシリーズ『The Art of Joy』で主役を演じ、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞で最優秀主演女優賞と新人賞を受賞したテクラ・インソリア。教え子の才能に嫉妬するも彼女を応援するアントニオ・ヴィヴァルディ役は、TVドラマ『ヤング・モンタルバーノ』シリーズで国民的人気を博し、映画のみならず舞台でも活躍するミケーレ・リオンディーノが務めた。

映画『ヴィヴァルディと私』予告編

 公開された予告編は、ヴェネチアの孤児たちが最高の音楽を学ぶピエタ院を舞台に、名声への焦りを抱えながら起死回生をかけるヴィヴァルディ(ミケーレ・リオンディーノ)と、孤独を抱えながら生きる少女チェチリア(テクラ・インソリア)の出会いから始まる。捨て子として育ち、自分を捨てた母親に対し、「私はあなたとは違う。子どもをゴミ同然に捨てたりはしません」と言う、愛を知らない少女チェチリアを捉える。そんな彼女の中に眠る圧倒的な才能を見抜いたヴィヴァルディは、「第一ヴァイオリンは決まりだ」と告げ、彼女を導こうとする。しかし才能を伸ばそうとするヴィヴァルディに対し、チェチリアは冷酷な現実が突きつけられる。ピエタ院の女性にとって音楽は一時のものであり、やがて結婚という現実が待ち受けていたのだ。「戦争が終われば結婚させられ、演奏は続けられません。規則ですから」その言葉に対し、絶望するヴィヴァルディ。音楽に生きようとする少女と、音楽にすべてを賭ける男。互いの情熱と葛藤がぶつかり合う中で、ふたりはやがて“人生そのもの”を音楽に乗せていく。

 あわせて公開された場面写真では、ヴァイオリンを手に凛と立つチェチリアの姿や、彼女を見つめるヴィヴァルディの複雑なまなざし、そしてピエタ院での演奏シーンなどが収められている。

 なお本作は、イタリア映画祭2026でも上映される。さらに原作書籍も映画タイトルにあわせた形での改題新装版が5月14日に発売される。

■公開情報
『ヴィヴァルディと私』
5月22日(金)より、シネスイッチ銀座、ユーロスペース、アップリンク吉祥寺ほか全国順次公開
監督・脚本:ダミアーノ・ミキエレット
出演:テクラ・インソリア、ミケーレ・リオンディーノ、アンドレア・ペンナッキ
原作:ティツィアーノ・スカルパ 『ヴィヴァルディと私』(河出書房新社刊/中山エツコ訳) 配給:彩プロ
後援:イタリア文化会館
2025年/イタリア・フランス/イタリア語/110分/1.85:1/5.1ch/原題:Primavera/G /字幕翻訳:関口英子
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