【漫画】恋愛経験ゼロでハイスペ男子と契約結婚……? 『3次元お断りな私の契約結婚』が描く「両思いのその先」

 世は推し活全盛期! 「推し」のために全力で生きる人々も、いまや当たり前の光景になった。『3次元お断りな私の契約結婚』(漫画:伊吹楓・原作:橘しづき/双葉社)の主人公・高杉杏奈にも、愛してやまない“推し”がいる。

 現在絶賛連載中の本作は、「彼氏いない歴=年齢」の恋愛経験ゼロなオタク女子・杏奈が、誰もが認めるハイスペ御曹司・藤ヶ谷巧に契約結婚を持ちかけられることから始まるラブコメディ。電子版が女性読者を中心に支持を集め、各電子書店で大ヒット。紙の単行本化も実現した。10月15日には待望の第3巻が発売される。

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『3次元お断りな私の契約結婚』(漫画:伊吹楓・原作:橘しづき/双葉社)



 上場企業の秘書課に勤務する杏奈は、周囲からの信頼も厚いバリキャリ女子。恋愛には目もくれず仕事に邁進するクールな女性だと思われているものの、実は3次元の男性にはまったく興味なし! 給料のほとんどを推し活につぎ込む、筋金入りのオタクだったのである。どんなに魅力的な男性からアプローチされても「男性に興味はない」と一刀両断していたのは、乙女ゲームの王子様キャラ・オーウェンにガチ恋をしているからだ。

 そんな推し活ライフを謳歌する杏奈に、巨大企業の御曹司・巧はなぜ突然“契約結婚”を申し込むのか。実は巧には別に好きな人がいる。だが、その女性がシングルマザーであることを理由に両親から結婚を認めてもらえず、一方で結婚を急かされているという板挟み状態になっていた。恋愛感情を持ち込まずに済む合理的なパートナーとして、白羽の矢を立てたのが杏奈だったのである。――ありがとう、こういうの大好きです。

 かくして、「3次元お断り女」と「他に本命がいる男」という、絶対に交わるはずのない二人の契約結婚生活は幕を開ける。「イケメン御曹司から突然契約結婚を申し込まれる」という設定だけを見れば、恋愛漫画らしい超ドリーム展開ではあるものの、伊吹楓氏による麗しい作画で描かれる世界とは裏腹に、杏奈の“こじらせオタク”ぶりは実にリアルだ。推しがいる者なら思わず頷いてしまう“あるある”が、次々と飛び出してくる。

 さすがに愛のない結婚には反発するものの、27歳の杏奈も家族からあれこれ言われるお年頃。推し活で出費もかさんでいる。そんななか巧が提示した条件は、夫婦完全別室、仕事を辞めるも続けるも自由、お互いの恋愛にも干渉なし。さらには資産も自由に使えて、万が一ほかに結婚したい人ができたら離婚もOK(手厚い財産分与つき)。

 ――あれ? この契約結婚、意外と悪くないかも!?

 こうして始まった契約結婚をきっかけに、杏奈と巧の距離は徐々に縮まっていく。巧の本命の彼女についての真相や、契約結婚の本当の狙いも明らかになり、ふたりはついに両想いに! けれど、第3巻の杏奈に立ちはだかるのは、両想いの「その先」。タイトル通り「3次元お断り」を貫いてきたがゆえの“恋愛経験ゼロ”という壁だ。

 杏奈にとって、巧は人生で初めての彼氏。乙女ゲームなら、用意された選択肢から正解らしきものを選べばよかった。相手の好感度も可視化される。そしてなにより、王子様と結ばれれば、めでたく幸せなエンディングを迎えられた。

 だが、ハッピーエンドの「その先」がなにより重要なのが、3次元で生きる生身の人間同士の恋愛というもの。初デートに出かければ、慣れた雰囲気でエスコートしてくれる巧をよそに、杏奈は“巧が恋人だ”と意識した途端に、彼の前でどう振る舞えばいいのか分からなくなってしまう。しかも、恋人関係において「どこまで自分のパーソナルな部分を曝け出していいものか」の判断基準を持ち合わせていない杏奈は、自身がオタクであること、そして最愛の推し・オーウェンの存在も隠している。「知られたら嫌われてしまうかも」という心理に囚われ、自ら縛りを課しまくったハードモード状態なのである。

 従姉妹の麻里ちゃんが言う通り、この高難易度リアル乙女ゲームにおける唯一の攻略方法は、「巧に正直に言うこと」なのかもしれない。初めての温泉旅行という一大イベントで、杏奈と巧の新ルートは開放されるのだろうか。――ありがとう、こういうの大好きです!


■書誌情報

『3次元お断りな私の契約結婚 』

紙コミックス1〜3巻、電子コミックス1〜9巻発売中

漫画:伊吹楓

原作:橘しづき

出版社:双葉社



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