第8回SFアワード受賞作収録『リシアンサス』10月刊行 カン・バンファ翻訳の韓国SF短編集
四六判文芸レーベル「MPエンタテイメント」から韓国のSF作家ヨン・ヨルムによる短編集『リシアンサス』(訳:カン・バンファ/マイナビ出版)が10月22日に刊行される。
本書は「MPエンタテイメント」が海外作品を紹介する初の一冊。ディストピア、宇宙旅行、アンドロイド、ゾンビ感染といったSF的な世界観を舞台にしながら、「誰かを想うこと」「喪失を抱えて生きること」「自分の居場所を探し続けること」といった普遍的な感情を描き出す9編を収録する。
表題作「リシアンサス」は、2021年の第8回SFアワード中短編部門優秀賞を受賞した作品。大気汚染に見舞われた地球を舞台に、人工の身体を持つ「人間」と、そうでない「未登録」の関係性を描く。このほか、嫌な記憶を消す“オプション”をめぐる「ホウレンソウのソテー」、百二十日の星間飛行で廃棄される乗務員アンドロイドとの交流を描く「わたしのエラーってひどいのでしょうか」などを収める。
著者のヨン・ヨルムは、記憶と変化、旅立ちに関する物語を好む韓国のSF作家。「リシアンサス」のほか、「廊下で待っているから」で第8回ハン・ナグウォン科学小説賞佳作、「月光捜査」で第2回ロマンススリラー文学公募展優秀賞、『キャットニップ・ネットワーク』で第5回タイムリープ小説公募展優秀賞を受賞している。
訳者のカン・バンファは、キム・チョヨプ『わたしたちが光の速さで進めないなら』(共訳)、『地球の果ての温室で』、ペク・スリン『惨憺たる光』など、韓国文学の翻訳を数多く手がける翻訳家・翻訳講師。著書にエッセイ集『ことばの波間で』などがある。
刊行にあたっては、小説家の新井素子、編乃肌が推薦コメントを寄せている。
■コメント
新井素子(小説家)
どの世界でもいつでも。誰かを想う気持ちは、やっかいで醜いけど素敵。うん、みんなおんなじなんだねって思える短編集。
編乃肌(小説家)
どれも少しほろ苦くて、でも後味はどこか優しい身近に寄り添ってくれるようなSF短編集。
■書誌情報
『リシアンサス』
著者:ヨン・ヨルム
訳者:カン・バンファ
価格:2,420円(税込)
発売日:2026年10月22日
出版社:マイナビ出版