『おむすび』池畑慎之介だから成立したひみこさん 中川わさ美のキャスティング意図も
![『おむすび』池畑慎之介だから成立したひみこ](/wp-content/uploads/2025/01/20250129-omusubi-00001.jpg)
また、第84話には「うちのおかん、おしゃれにしてください」と古着屋・ガーリーズを訪ねてくる少年の母親役で中川わさ美が出演。公式サイトのプロフィールには「生まれつき、右手は親指以外の指がありません」と記されているが、劇中ではそのハンディキャップに一切触れることはなかった。
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中川のキャスティングについて、盆子原は「ことの始まりはNHK土曜ドラマ『パーセント』(2024年)のプロデューサーをしていた南野(彩子)から紹介を受けたことでした。もちろん、僕も『パーセント』を観ていてお芝居がすごく素敵だなと思っていましたし、手に障がいがあることも存じていて。言葉で説明するのは難しいですが、そういった方々にも届く“ギャル”を表現したいなと思って、中川さんにご出演いただきました」と振り返る。
「障がいをピックアップして撮る手法も考えましたが、なんとなく“そうじゃないんだよな”と思ってしまって。今回のような描き方をしたことで『どれくらいの人に、どれくらいのことが届いているのか』という懸念はありますが、『老若男女だけではない、もう一つの表現がしたい』との思いから、この方法を取りました」(盆子原)
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このような演出について、制作統括の宇佐川隆史は「第15週で描かれた避難所にも、手話をする方や車椅子の方がいましたが、前回と今回では意図が異なります」とし、「前回は、避難所ではどんな事が起こるのか、その環境や避難生活での困難を考えてもらう意味合いもこめて、ご出演して頂きました。一方今回のシーンでは、私たちも特段意識することなく“当たり前に皆が一緒に生活している”現代の状況を表現しています。それもまた、平成後期から令和ならではの社会の特徴だと思います」とコメント。
真鍋は「人の中には差別の心があるもので、どこまでいっても完全になくなることは難しいかもしれません。ですが、『私は差別に反対です』と宣言して、そこで思考停止してしまうことが一番よくないと思うんです。自然にそういった壁がなくなっていけばいいと思いますし、作品を作る際にも常にそういうことを意識しながら、私たちがどういう距離感でこの問題と向き合っていくべきなのかを考え続けることが大事なのかなと思っています」と胸中を明かした。
誰もが自分らしく生きる“ギャル魂”を通して、多様性を描いていく。そんな制作陣の思いが詰まった第17週を締めくくる、明日の放送に期待が高まる。
■放送情報
連続テレビ小説『おむすび』
NHK総合にて、毎週月曜から金曜8:00〜8:15放送/毎週月曜〜金曜12:45〜13:00再放送
BSプレミアムにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜8:15〜9:30再放送
BS4Kにて、毎週月曜から金曜7:30〜7:45放送/毎週土曜10:15~11:30再放送
出演:橋本環奈、佐野勇斗、仲里依紗、麻生久美子、北村有起哉
語り:リリー・フランキー
主題歌:B'z「イルミネーション」
脚本:根本ノンジ
制作統括:宇佐川隆史、真鍋斎
プロデューサー:管原浩
写真提供=NHK