「豆しばはどこに?」「ブシロード多すぎ!」 新作アニメ60本のCMを調べてわかったこと

新作アニメ60本のCMを調べてみた

 サブスクでのアニメ視聴が当たり前になった現在も、筆者はできるだけ地上波放送を録画してアニメを観ています。その理由のひとつはCMの存在。アニメ中のCMって観ていていろいろ感じるんですよね。「この曲のMVかっこいいじゃん」「一迅社は今クールも視聴者を楽しませる工夫をしてくれてるな」「俺はまたしかるねこに叱られるのか」などなど……。

 しかしそんなアニメCMウォッチを続けていると、「一時期あんなに見かけた豆しばはどこに行った?」「ブシロード関連のCM多すぎない?」といった気になることが出てくるものです。そこで今回は録画視聴中のアニメから新作60本をピックアップしてどんなCMが流れているか調査を実施。すると、さまざまなことが改めてわかってきました。

調査概要

・チェックするCMは、基本的にアニメの始まりから提供クレジットが終わるまでに流れるもの。
・対象作品は地上波で流れている60本(時間帯別の内訳は朝:11本、夕方:7本、夜:42本)。放送局は関東圏で最速放送している局で、半分弱がTOKYO MX。
 ・調査した時期は6月3日(金)~6月9日(木)。ただし『本好きの下剋上~司書になるためには手段を選んでいられません~』『RPG不動産』のみ5月18日放送分(筆者が最近録画に失敗していたため)

1作品あたり流れているCMの数は平均8.5本

 今回調べたアニメ中に流れたCMの数は全部で512本。NHKの作品などCMが存在しないものもあるものの(そうした作品でもアイキャッチは入るのが不思議ですが)、平均すると1作あたり約8.5本流れています。

 おもなCMの内容は放送しているアニメの主題歌やBlu-ray&DVD、原作などの情報、同じレーベル/出版社の別作品(アニメ・マンガ・小説)の情報など。さらに朝アニメでは玩具など関連グッズのCMが加わります。これは、提供クレジットに名を連ねる会社が視聴者に推したいものが並んでいるのでしょう。

 ショートアニメについては、『お昼のショッカーさん』や『じゃんたまPONG』といった作品には特有のCMがないようですが、“僧侶枠”(※2017年春クールから続く5本アニメ「AnimeFestaオリジナルアニメ」シリーズの俗称。毎クールの世界観やキャラクターは変わるが、毎回エッチな展開があるのが共通している)の『3秒後、野獣。~合コンで隅にいた彼は肉食でした』ではきちんと配信サービスのアニメフェスタやBlu-ray&DVDなどのCMがあったのは少し驚き。さすが僧侶枠、強欲です。

 ちなみに筆者が気にしていた豆しばのCM(※ふしぎな生き物“豆しば”が豆知識を教えてくれる)が流れたのは『キャップ革命 ボトルマンDX』と『古見さんは、コミュ症です。』のみ。その代わり(?)に台頭してきた感のある、しかるねこのCM(※心配性な喋る猫“しかるねこ”が日常の「ついつい」や「うっかり」を叱ってくる)は6作品で流れ、そのうち『キャップ革命 ボトルマンDX』ではしかるねこが2回続けて視聴者に愛ある叱責をしていました。

ラインナップが印象的だったのは『虹ヶ咲』『ヒラガ』『バディゴル』

 チェックしていて特に印象的だった作品は『ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会』2期、『ヒーラー・ガール』、『BIRDIE WING -Golf Girls' Story-』の3つ。『虹ヶ咲』は12本のCM中、半分以上が『ラブライブ!』関連のもので、シリーズとしての充実ぶりが感じられました。

 『ヒーラー・ガール』にいたっては7本のCMがすべて主題歌やサウンドトラック、Blu-ray&DVDなど同番組関連という『ヒラガ』づくし。ほかのコンテンツには見向きせず、何度も柔らかな歌声とユニークな映像に触れられるのもあのアニメの独特な中毒性につながっている可能性があります。

 そして『BIRDIE WING』はCMラインナップの特異さが際立ちます。上記したようなアニメ中によく見られる類のCMはなく(Blu-rayの予定もないのでしょうか……?)、ゴルフ向け距離計測器「ShotNavi」やゴルフの練習用システム「トップトレーサー・レンジ」、オフィスソリューション事業会社のACN、HTCのメタバース「VIVERSE」などほかでは見られない異色のものが多め。ゴルフ関連のCMがきっちり流れるところは、伊達に久々(業界にとっては待望?)のゴルフアニメではありません。

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