VALIS、MYU復帰の完全体で結成5年の集大成を届ける 『喝采カーテンコール』第二幕“ソワレ”で感じた進化

今年でデビュー5周年を迎えたバーチャルガールズグループ・VALIS。5月17日、渋谷・Spotify O-EASTで開催された6度目のワンマンライブ『喝采カーテンコール』では、MYUがステージに復帰し、曲数を絞ってパフォーマンスに参加。そしてステージのコンセプトを第一幕(マチネ)と第二幕(ソワレ)と分けることで、彼女たちが持つ無垢さと妖艶さの両方を満杯の会場に届けた。本稿では第二幕にスポットを当てて、現場の様子をレポートしていきたい。

ソロ曲を中心に披露した第一幕に引き続き、この日リリースが発表された5thアルバム『悠久オーケストラ』収録曲でスタートした第二幕は、ラテン調のリズムに乗せて激しく情熱的な気持ちを歌った「廻転コースター」から、4曲連続で観客を圧倒した。ラップ調のボーカルも聴かせ、敬礼ポーズの振り付けでも魅せた「灼熱モーメント」。オルゴール調で始まった「誘惑ノンフィクション」は、途中で曲調が一転するところも魅力。そして「黄昏シミュレイド」はMYUを加えた5人でパフォーマンスし、ラップと早口のボーカルを交えた熱く激しい歌声で観客を魅了。第一幕と合わせて5thアルバム『悠久オーケストラ』を全曲(インスト除く)生でパフォーマンスした。

「第二幕は、第一幕より少し大人になった、夜の世界の姿でお届けして行きます」とCHINO。第二幕はメンバーの衣装も第一幕とは異なり、肩や足、腕など肌を出した面積が増え、大人のセクシーさがプラスされた。最初のMCではそんな衣装について「非対称になっているところ」(MYU)、「あどけなさも残しつつ黒いアイテムで大人の魅力を表現」(NEFFY)、「萌え袖がなくなりめっちゃ涼しい!」(CHINO)、「和ロックテイスト」(RARA)、「ここ(デコルテ)をこんなに出したの初めて! フワフワじゃない手袋も初めて」(VITTE)など、それぞれ衣装のポイントをトーク。しかしRARAが衣装のグローブ(黒い手袋)を付け忘れていたことが発覚し、全員から突っ込まれる場面も。クールなパフォーマンスとはギャップのある、非常にリラックスして自然体の姿も彼女たちの魅力だ。スクショタイムでは、体でVALISの文字を表現するムチャなポーズも披露した他、最後は「やったるぜ!」のポーズで後半戦に向けて意気込んだ。
続いては、ステージであまりやっていない曲や思い入れが強い曲を主にしてメンバーで選曲したという、「VALIS CHRONICLE MEDLEY」で5周年の奇跡を辿る。
まずは、チャイナ調とピコピコのサウンドが心地よく、どこか平成を感じさせるポップナンバー「再現ガールフレンド」から。ステージの前まで出て観客のクラップを誘うと、観客のクラップが会場に鳴り響く。「ここからのパートも、もっと楽しんでくれるかにゃ?」(VITTE)、「会場のみんな、配信のみんなブチ上がる準備はよろしくて?」(RARA)。間髪入れず、「ここからはCHINO先生とNEFFYさんのターン」(CHINO)、「サビはNEFFYさんたちをマネして踊ってね!」(NEFFY)と声をかけ始まった「幸福アウトサイダー」。アイドル的な可愛さが全開の同曲では、会場には〈ハイ!ハイ!〉という掛け声が響き渡った。続いて魅せたのはRARAとVITTEによるバラード「哀愁トワイライト」。一転して厳かなムードが会場に漂い、手を繫いで歌う2人を観客は静かに見守った。
アバターによるMVをスクリーンに映しながら4人でパフォーマンスした「新世界ピグマリオン(覚醒 ver.)」を経て、CHINOとVITTEでパフォーマンスした「真夜中コンツェルト(覚醒 ver.)」は、アップテンポのリズムに乗せて熱くパワフルに歌声を響かせた。「錯綜リフレクション(覚醒 ver.)」はNEFFY、RARAでパフォーマンス。爽快さと浮遊感が入り交じった心地よいビートと歌に、聴いているこちら側も胸がはやる。「手を振って!」の呼びかけで、観客は上げた手を左右に振って会場が一つになった。〈ハイ!ハイ!〉という掛け声が響く中、4人でパフォーマンスした「再見ロマネスク(覚醒 ver.)は、セリフ調のソロパートにそれぞれの個性があふれる。
ノンストップでNEFFYとVITTEによる「焦燥アンドロイド(覚醒 ver.)」へとつなぎ、同曲では曲中で左右に分かれて投げキスするなどファンサービスでも会場を沸かせた。CHINOとRARAによる「一陽レガシー(覚醒 ver.)」では、CHINOの合図で〈一つ、二つ、三つ、四つ〉と会場全体でカウントを告げ、ノリのいいビートに乗せた二人のキレのあるダンスとボーカルが会場を魅了した。メドレーの最後は5人で「熱愛フローズン(覚醒 ver.)」をパフォーマンス。四つ打ちのビートに乗せて、時に妖艶に、時にパワフルに、フェイクやラップを織り交ぜながら多彩なボーカルを聴かせる。サビで横一列に並んで魅せた、息の合ったダンスパフォーマンスは実に見応えがあった。