オーディション企画を取り入れて成長を遂げた「めるぷち」。VAZのキーパーソンが語るコンテンツ制作の今とこれから

若年層のトレンドを敏感にキャッチし、バズを生み出すコンテンツ企画や尖った才能が光るクリエイターが多く所属する株式会社VAZ(バズ)。
「めるぷち」や「MelTV」、「CULDRAMA」など、多くの人気YouTubeチャンネルの企画・運営を行っている。
「めるぷち」は、いまや女優としても活動する星乃夢奈や、10 代女子からカリスマ的人気を誇るさくら、おさき、MINAMI、さらには、ABEMA「今日、好きになりました。」に出演した久保田海羽、瀬乃真帆子、田中陽菜、相塲星音などを輩出し、次世代タレント・インフルエンサーの登竜門的な地位を築いている。
こうしたなか、「めるぷち」や「CULDRAMA」を立ち上げ期から現在まで、コンテンツ制作とインフルエンサーマネジメントの両輪で牽引してきたキーパーソンが株式会社VAZ コンテンツビジネスディビジョン ゼネラルマネージャーの岡田康平氏だ。
同氏は、「人に依存しない仕組みを作るために、オーディション企画を取り入れた」と成長の裏側を語る。今回は、長きにわたってヒットしているVAZのコンテンツ制作への想いや強みについて、岡田氏に話を聞いた。
「デジタル発のスター」を生む挑戦に魅力を感じてVAZへジョイン
ーーまずは岡田さんのバックグラウンドについて教えてください。

岡田康平(以下、岡田):私は大学時代に大学対抗の女子大生アイドルコピーダンス日本一決定戦「UNIDOL(ユニドル)」実行委員会に代表を務めた期間を含めて4年ほど在籍し、アイドルカルチャーの定着に合わせてイベントの規模を拡大すべく学生時代を捧げていました。最初は周りの大学の友達を呼んで開くような小さなイベントでしたが、そこから規模をどんどん拡大して、全国5都市で予選を開催するようになり、決勝は新木場スタジオコースト(現在は閉館)で行うまでになりました。
その後、新卒では広告代理店に就職して2年ほど働いたのち、エンタメ系スタートアップでイベントプロデュースやマーケティングに従事しました。VAZに入社したのは2019年だったのですが、実は入社初日に会社が炎上したんですよ(笑)。いきなりバタバタのスタートでしたが、そういう修羅場を乗り越えるのは結構得意だったようです。
ーー当時のVAZは、どのような職場環境だったのでしょうか?。
岡田:私がVAZに入った当時は、会社としてまだマネジメント機能も整っていなくて、クリエイター側に完全に依存しているような状況でした。プロデュースという概念もほとんどなく、「これからちゃんと仕組みを作っていこう」というタイミングだったんです。
こうしたなかで、私は当時まだ中学生だった星乃夢奈やさくら、それから高校生だったねおなど、将来的に芸能タレントを目指している女性クリエイターを担当していました。それと同時に、YouTubeチャンネル「めるぷち」や「CulTV(現 CUL DRAMA)」といったメディアの運営も行っていて、タレントマネジメントとメディアプロデュースを両輪でずっと続けてきたというキャリアを歩んでいます。
ーー岡田さんがVAZに参画されるまでのVAZに対するイメージや、メディア事業を広げていくためのアプローチをどのように考えたのかについて教えてください。
岡田:VAZに入る前の正直な印象としては、「ほとんど知らなかった」というのが本音です。広告代理店にいたとき、自分自身がコンテンツを作る側に回りたいと思うようになり、芸能事務所やAbemaTV(現 ABEMA)などコンテンツ系の会社をいろいろと調べていたなかで、VAZ創業者の森さんからお話を聞く機会がありました。
そのときに印象に残っているのが、「これからはデジタル発のスターが、お茶の間のスターになっていく。その変革のタイミングに一緒に挑戦しよう」という考えでした。昔、映画が主流だった時代にテレビという新しいメディアが登場して、そこからスターが生まれたように、「今度はデジタルから同じような流れが来る」という話にすごく惹かれて、VAZに入ることを決めたんです。
当時はYouTuberのヒカルさんのことも知らないくらいで、VAZに入社してから「MelTV」というメディアもやっていることを知った感じでした。
そんななかで、当時中学生だった星乃夢奈、さくら、おさき、MINAMIの4人でスタートした「めるぷち」や「CulTV」のプロデュースを経験し、YouTuberが自分たちで企画・制作をすべてやるスタイルとは違い、マネジメントや育成の仕組みが機能する“箱”があることに大きな強みを感じていました。それ以来、自社メディアにずっと関わり続けています。