小室哲哉も愛用したローランド『JD-800』が復刻 90年代の音色を宿した『JD-08』の魅力とは

90年代の音色を宿した『JD-08』の魅力

 Rolandから、新しいシンセサイザー『JD-08』が発表された。このシンセはかつてRolandが発売していた名機『JD-800』を小型化した復刻モデルで、90年代を彩った数々の楽曲で使われた音色が収録されている。

 JD-800は、1991年に登場したデジタルシンセサイザーだ。当時の流れを振り返ると、1983年にヤマハから伝説的なデジタルシンセ『DX7』が登場し、斬新なFM音源によって、いままでにないサウンドを奏でていた。その後、1987年にRolandが『D50』を発表。LA音源という独自の方式を開発し、ヤマハに対抗していた。1988年にはKORGから『M1』が登場し、PCM音源をはじめとするデジタルサウンドが隆盛を誇る。

 だが、デジタルシンセは音色のバリエーションが豊富な一方、操作性に難があった。そんな折に登場したJD-800は、デジタルシンセでありながらアナログシンセのようなツマミやスライダーを搭載することで、アナログ感覚で音作りができるデジタルシンセという新境地を開拓した。

 JD-800を愛用していたアーティストは多い。もっとも著名なのは小室哲哉だろう。プリセット53番のピアノサウンド(Ac.Piano 1)は、globeの「DEPARTURES」や「Feel Like dance」で使われており、JD-800を象徴するサウンドでもある。他にも浅倉大介、平沢進(P-MODEL)、リック・ウェイクマン、ペット・ショップ・ボーイズ、トニー・バンクス(Genesis)など、世界中のアーティストが愛用してきた紛うことなき名機だ。

globe / 「DEPARTURES(from LIVE DVD globe the best live 1995-2002)」

 ちなみに、JD-800は今年で発売からちょうど30周年を迎える。そんな記念すべき年に登場したのが、今回のJD-08というわけだ。斜めに配されたボタンや多数のスライダーなど、オリジナルのパネルデザインを忠実に再現している。音色はJD-800に内蔵されていた64種類のプリセットを搭載。108種類の波形(ウェーブフォーム)や4レイヤー構造も再現されている。

 一方で、シーケンサーやアルペジエーター、PCとの接続など、現代らしい機能も多数もりこまれている。ハードシンセは他の楽器と同期(sync)させて使うこともあるが、JD-08にはEXT CLK IN端子があり、クロックの入力に対応している。この同期は他メーカーの楽器とも可能で、KORGのvolcaシリーズや、Teenage EngineeringのPocket Operatorなどとも同期が可能だ。もちろん、USBでPCに繋げばDAWからコントロールもできる。

 JD-08は、Rolandが展開しているBoutiqueというシリーズに位置づけられる。Boutiqueシリーズはどのモデルも筐体サイズが等しく、スピーカー内蔵&電池駆動で、復刻に力を入れているのが特徴だ。また、本体に角度を付ける『DK-01』や、ミニ鍵盤を持つ『K-25m』などの外部デバイスと組み合わせることで、様々な使い方ができる。同シリーズには伝説的ドラムマシンを復刻した『TR-08』や『TR-09』、アシッドベースが息づく『TB-03』、小さくなったフラッグシップ『JP-08』などがラインナップしているが、いずれもオリジナル機を見事に復刻している。

Roland Boutique TR-08 Rhythm Composer

 JD-08の発売日は2021年12月4日。ハードシンセには物理ならではの魅力があるが、「JD-800」をソフトウェア音源にした『JD-800 Model Expansion』が、今年始めにRoland Cloudより登場している。ソフトウェアシンセ派にはこちらもオススメだ。

(Source)
https://www.roland.com/jp/products/jd-08/
https://www.roland.com/jp/news/0948/

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