『会社は学校じゃねぇんだよ 新世代逆襲編』鈴木愛理演じる“悪女”の魅力 高圧的な態度に隠された弱さ

『会社は学校じゃねぇんだよ 新世代逆襲編』4話

 強く見える人ほど、その奥には弱さを抱えていたりする。派手な服装や奇抜なヘアスタイルで鎧を纏い、自分の繊細さを他人に見せないように必死でもがいて。ABEMAオリジナルドラマ『会社は学校じゃねぇんだよ 新世代逆襲編』第4話で登場した一花(鈴木愛理)は、まさにそれを体現したような人物だった。

 恋人の智美(藤井夏恋)と別れ、父・啓介(吹越満)の会社「鶴鞄」も「サイファークリエーション」に買収された。祐介(野村周平)に残されたのは、親友の健吾(佐野玲於)と起業した会社「FIND VALUE」のみ。大学生のビジネスコンテストで優勝し、鉄平(三浦翔平)から3000万円出資してもらう……とここまで順風満帆に歩んできた彼に、向かい風が吹いている。

 “自分にはもう会社しかない”と焦りを感じたのか、祐介は最短ルートで成功を掴み取りに行く。大手事務所をクビになったお騒がせモデル・一花と契約を結ぶことで、一気に知名度を上げることを目論んだのだ。しかし、大手事務所に睨まれている一花に声をかけるのは、リスクも高い。健吾は、「徐々に会社を大きくしていけばいい」と祐介の暴走を止めるが、聞く耳を持たない。

 正直、一花はかなり感じの悪いキャラクターだ。演じているのは、鈴木愛理。いつも笑顔で、癒しオーラ全開の鈴木とは、対極に位置する役柄でもある。派手なリップに、サングラス。初対面の祐介にも、「せっかく来たんだから、時間無駄にしないでね?」と上から目線で話す。だが、実は誰よりも人間味のある人物だった。

 一花にとってサングラスは、弱い自分を隠す“鎧”のようなもの。歯に着せぬ物言いも、本性を見せないようにするための“武器”だった。本当の彼女は、臆病で繊細で……そんな姿を押し殺していくうちに、本当の自分が見えなくなってしまったのだろう。そして、大事なものをたくさん失ってしまった。

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