「月額0円」の格安プランはどんなメリット・デメリットがある? 4大キャリアの相次ぐ値下げ競争

「月額0円」プランのメリット・デメリット

 au(KDDI)がオンライン専用の新プラン「povo 2.0」を発表したことで、さらに加熱する大手携帯キャリアのネット専用プランの値下げ。1000円以下が当たり前となったこれらの格安プランは、どのようなユーザーにメリットをもたらすのだろうか。

楽天モバイルによる0円スタートの衝撃

 大手キャリアによる値下げ競争に火を付けたのは、楽天モバイルだ。同社が今年1月に発表した「Rakuten UN-LIMIT VI」は、データ使用量が1GB以下ならなんと月額0円で利用できる。その後の料金は段階的に上がり、3GB以下なら月額980円、20GB以下なら1980円、それ以上なら月額2980円という具合だ。

 楽天モバイルはドコモやau、ソフトバンクに続く「第4局の大手携帯キャリア」として、2020年9月より5Gサービスを開始。当時提供してた「Rakuten UN-LIMIT V」は国内かけ放題・データ無制限で月額2980円と、こちらも価格競争力の高いプランだった。しかし今年春にドコモが「ahamo」、auが「povo(現在はpovo 1.0に改称)」、ソフトバンクが「LINEMO」にて月額3000円以下のネット専用プランを発表したことで、さらに廉価なプランが導入された。

 楽天モバイルは現在独自の基地局網の整備を急いでいるが、他の大手携帯キャリアに比べるとエリア展開で見劣りするのも事実だ。ただしエリア外であってもauのローミング回線が利用できるので、都市部なら利用に支障はないだろう。

大幅値下げに踏み切ったソフトバンク

 大手キャリアが導入したオンライン専用プランは従来プランと比べて大幅に廉価だったので、値下げ競争は一段落したと思われていた。しかし菅内閣の意向により総務省がさらなる携帯料金の値下げを指示する中、ソフトバンクが導入したのが月額990円の「ミニプラン」だ。

 ミニプランでは利用できるデータ容量を3GBへと限定したことで、楽天モバイルの3GBで月額980円に迫る低価格を実現。3GBより多く使った場合には通信速度が300kbpsへと制限されるが、追加料金が発生する心配がないのは逆にメリットだろう。もちろん、データ容量を追加購入することもできる。

 ミニプランの直接の競合相手は楽天モバイルだが、これにより窮地に立たされたの格安MVNOサービスだ。格安MVNOサービスは大手キャリアから回線を借りることで月額1000円以下のプランを数多く提供しているが、大手キャリアが高品質なプランを月額1000円以下で提供すれば、格安MVNOサービスを選択する理由は少ない。

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