『ワンピース』『ゼルダ』……無双シリーズ×人気IPはなぜ人気? 新作『刀剣乱舞無双』も成功の可能性大か

無双シリーズ×人気IPはなぜ人気?

『無双』×『人気IP』成功の理由は、原作への愛とリスペクトに

『ゼルダ無双 厄災の黙示録』1stトレーラー

 上述のように、さまざまな人気IPと何度もコラボレーションを続けてきた『無双』シリーズ。発表のたびに当該作品は“イロモノ”であるかのように見られてきたが、発売されると、そのような世の評判を覆し、一定の評価を獲得してきた過去がある。同シリーズはなぜ、異色すぎるコラボを続けてもなお地位を高め続ける、稀有の作品群となれたのだろうか。その理由は、対象へのリスペクトを忘れなかった点にあると考える。

 たとえば、コラボ作品のなかでも特に好評だった『ゼルダ無双』では、『無双』本来の基本システムを踏襲しながらも、随所に「ハート」や「爆弾」などの“ゼルダらしさ”を巧みに取り込んでいた。開発陣には任天堂側から、『ゼルダの伝説』総合プロデューサーを務める青沼英二氏がスーパーバイザーとして参加。世界観やシナリオ、音楽といったタイトルの根幹となる要素においても、原作を彷彿とさせる仕上がりとなっている。そこにあるのは、紛れもない“ゼルダ愛”だ。

 こうした傾向は、2020年11月に発売となった続編『ゼルダ無双 厄災の黙示録』にも受け継がれている。同タイトルでは、誕生から31年目にして『ゼルダの伝説』を「もう一段上の名作シリーズ」へと押し上げた『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』にフォーカス。コラボ作品としては、さらに成功へのハードルを高めたチャレンジ精神あふれるタイトルだったが、原作へのリスペクトを忘れず、前作と同等、またはそれ以上の圧倒的高評価を獲得した。意外性のあるIPとコラボレーションを続けることで、独自の立ち位置を確立しつつある『無双』シリーズの懐の深さは、対象への愛とリスペクトに裏打ちされているのではないだろうか。

 同シリーズの新たなパートナーとなった『刀剣乱舞』もまた、すでに多くのファンを抱える一大IPである。タイトルの出来によっては、これまで積み上げてきた成功をふいにする可能性も大いにあるだろう。

 それでも。『無双』シリーズは、双方のファンの期待に応えてくれるに違いない。

 『刀剣乱舞無双』は現在のところ、発売日未定。第一部隊、第二部隊の隊長として、三日月宗近、歌仙兼定の参戦が決まっている。

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる