シリーズ10年ぶりの新作『パワポケR』 成功のカギは“普遍性のあるシステム”に?

新作『パワポケR』発表、成功のカギとは?

共通の性質を持つヒット作たちが整えてきた“成功”への下地

ときめきメモリアル Girl’s Side 4th Heart(Nintendo Direct | E3 2021)

 ゲームカルチャーの歴史を紐解いていくと、同様のゲーム性をベースにヒットしたタイトルが、ジャンルをまたいで複数存在していることに気づく。「読み物ベースではない恋愛ゲーム」を一般化した『ときめきメモリアル』、育成シミュレーションの王道『モンスターファーム』などはその最たる例だ。最近では、『ウマ娘 プリティーダービー』の躍進も記憶に新しい。同タイトルは、『パワプロ』のサクセスモードと類似するシステムをゲーム性の根幹に据え、2021年を代表するヒット作となった。

 このような背景からは、『パワポケR』成功の可能性が見えてくる。前項で説明した『パワポケ』シリーズの持つ魅力は、“時代やジャンルに縛られない普遍的なもの”であるとわかるためだ。

 『モンスターファーム』シリーズからは、第1作・第2作が2019年、2020年にリマスターされており、『ときめきメモリアル』シリーズからは、2021年10月に最新作『ときめきメモリアル Girl’s Side 4th Heart』がリリースされる。『ウマ娘 プリティーダービー』を含めた各作品・シリーズの話題性と注目度を見る限り、「シンプルさ」「やりこみ度」「中毒性」といったキーワードは、今の時代にもフィットするものと考えられる。

 10年ぶりの最新作は、『パワポケ』の歴史に恥じないタイトルとなれるだろうか。期待は高まるばかりだ。

■結木千尋
ユウキチヒロ。多趣味なフリーライター。
執筆領域は音楽、ゲーム、グルメ、テクノロジーなど。カルチャー系を中心に幅広いジャンルで執筆をおこなう。
人当たりのいい人見知りだが、絶対に信じてもらえないタイプ。Twitter:@yuuki_chihiro

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