3800万円で落札される「ポケモンカード」も オンラインオークションでTCGの高額取引が続く理由

オンラインオークションでTCGの高額取引が続く理由

第三者鑑定を提供するPSAの取り組み

約5,340万円で落札された『マジック:ザ・ギャザリング』の初版 Black Lotus

 こうしたTCGの鑑定をおこなうのがProfessional Sports Authenticatorである。PSA日本支社代表のトニー・アラム氏からはアメリカ市場におけるPSAの取り組みが紹介された。

 PSA社はコインやサインなど様々なコレクター品の真贋鑑定をおこなうCollectors Universe社の一部門。2018年から日本支社を開設し、日本向けサービスを展開している。

 トニー氏はPSAの鑑定する分野でも『ポケモンカードゲーム』は急激に数を伸ばしていると説明。Collectors Universeではこれまで1億点以上のコレクター品を、PSAでも5000万枚以上のカードを鑑定してきたとのことで、そのうち170万枚を『ポケモンカードゲーム』が占めている。

 年々成長を遂げてきたPSAであるが、近年はコロナ禍により市場がさらに拡大。2020年だけで480万点の品物を鑑定し、2021年はなんと1000万点の数字が見込まれるという。

 トニー氏は円滑な取引のためにも第三者による鑑定の需要はますます増していると説明する。PSAでは複数の鑑定士によりカードの状態を10段階で評価。PSAのサイトではカードごとに鑑定評価の分布図、鑑定を依頼したユーザーごとなどのデータも公開しており、取引に関わるユーザーが希少性を確認できるようになっている。

 PSAが展開する日本向けのサービスはカードの申告価格ごとの料金体系となっており、5万円以下のカードの鑑定料は3,300円で送料・保険料は別。1000万円以上のカードは55万円という鑑定料になっている。また、納期は3~4ヶ月かかるという。

国内でも過熱するTCG市場

 この他ウェビナーでは、市田氏より出品する際に気をつける点として、出品タイトルに詳細な説明を載せること、写真を多く掲載することなどのポイントが推奨された。

 こうした適切な情報を提示する行為は国内のフリーマーケットアプリなどでも同様にスムーズな取引に繋がる部分と考えられる。

 日本でもコロナ禍以降、『ポケモンカードゲーム』や『Magic: The Gathering』を中心に転売目的の購入が過熱。5月には『ポケモンカードゲーム』の新弾、「イーブイヒーローズ」が店頭販売による混乱を避けオンラインでの抽選販売となるといった影響が出ている。

■ゆがみん
1990年生まれの地方在住。インターネットに青春時代を持っていかれた。VRとesportsが関心領域。最近はnoteを拠点に活動している。Twitter

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