フィギュアスケート・宇野昌磨がYouTubeでも活躍中 ゲームや解説動画で表現する個性

 そして、特に興味深い動画が「解説シリーズ」である。これは宇野昌磨が自分で自分を解説する、という貴重な動画。現在、外出自粛明けの2019-2020 ショートプログラム「Great Spirit」の練習動画と宇野の11歳の時の2009年のプログラム「リバーダンス」の2本の動画が公開されている。

 1本目の自粛明けの動画ではGOE(出来栄え点)を「1、いや2かな?」と自分で予想し、また「足が下がっている」「イーグルをやってる側は結構長くやっているつもりだけど見てる側だと短いですね」と客観的に演技を分析。さらに、「スピンが遅い! やる気がないならやめてしまえ!」とまるで鬼コーチのようなセルフツッコミも。最後に寝っ転がって終わった時は「でもこれ来年のフィニッシュポーズこうなっているんですよ。だからミスじゃなくてこれが本来の形」と真顔で語ったところを「そんなわけあるかい」とスタッフが突っ込んでおり、宇野のお茶目な性格が垣間見えるオチとなっている。

 そして2本目、11歳の自分を解説する動画でまず衝撃的なのは、プログラムの曲名を忘れている点。結果的には途中で思い出すのだが、そのあっさりとした様子に非常に驚いた。

 「昔の自分はどんな気持ちで滑っているのか考えていたら、見入っちゃった」と、3度繰り返して演技を視聴した宇野。 彼は11歳から数年間、ジャンプに苦しむ時期が続いたという。それを踏まえ、「11年後の僕からしたらその努力があるから今この僕がいますし、そんなに考え込まなくてもできるようになったよとっていう言葉もかけてあげたいけど、かけたことによって今の僕がいなくなるのは嫌なので11年間色々と努力した結果今の僕に繋がっているんだなと久々に動画を見て思いました」と話し、1本目の動画のように厳しく自分を評価しながらも、その努力の道のりを感慨深げに振り返っていた。。

 また、「今よりも左手を使っているんじゃないか説」を打ち立て、「宇野昌磨の左手の歴史って誰か出してくれないかな」と笑いながら話したところ、この動画公開の翌日、早くもファンによる「宇野昌磨の左手の歴史」という動画がアップ。このスピード感からファンに深く愛されていることがわかる。注目が集まる世界初の3アクセル→4回転トーループへの挑戦も含め、今後も日本のフィギアスケート界を引っ張っていくだろう宇野昌磨。彼の演技はもちろん、YouTubeで見られる楽しく誠実な人柄によって。さらに愛される存在になっていくことは間違いないだろう。

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