2021.04.09 17:00

人気YouTuber「パチンコ店を買い取ってみた」のひげ紳士が語る、“大衆娯楽を守る”ことの意味

文・取材＝橋川良寛、写真＝竹内洋平

ーーコロナ禍もあり、ホールを取り巻く状況はまた変わっていると思いますが、どんな変化があったでしょうか。

ひげ紳士：お客さんは3割減、というところなのですが、その多くが、コロナ禍の前、毎日ルーティンのようにして通われていたシニア世代の方だと思います。新型コロナウイルスの感染拡大で1ヶ月、97%のパチンコ店が休業し、生活のスタイルが変わったなかで、「毎日義務のようにパチンコに通っていたけれど、行かなくてもいいじゃん」と気がつき、戻ってきていない。それはパチンコ店にとっては厳しいことですが、同時に、お客さんとしては正しいことだと思います。パチンコ店に行くことを、ルーティンにしてはいけない。

ーーホール経営者として勇気のある言葉だと思います。

ひげ紳士：なぜかというと、ルーティンにしてしまうと多くの場合、ここまで申し上げてきた”ワクワク感”がなくなり、楽しさを感じなくなって、健康的に遊べなくなるからです。理想はかつてのように、ほんの息抜きに、たまに遊ぶ人が大勢いて、みんなが無理なく楽しめる環境になることですが、それが難しいのだとしたら、なおさらうちのようなホールを守っていくことに価値があるのかもしれません。よく「最近は打っていても楽しくなかったけれど、パチンコとの向き合い方を思い出した」と言っていただけますので。

ーーなるほど。無理してホールに通わない、ということだけでなく、コロナ禍でなかなかホールに足を運びづらいという人もいると思いますし、そんなときに「アプリで遊ぶ」という選択肢についてはどうでしょうか？

ひげ紳士：非常にいいことだと思います。無理して足を運ぶのはよくない、と言いながらも、パチンコ業界にいる立場からすると、遊戯人口の低下には歯止めをかけなければいけませんし、ホールに足を運べないときに、アプリでパチンコやパチスロに触れていただく機会ができるというのはありがたいことで。「大衆娯楽」という観点からすると、「普段はアプリで、お金に余裕ができたらホールで」というくらいが健全だと思うんです。

ーー今回、動画でも遊んでいただいた『777Real』についてはいかがでしょうか。

ひげ紳士：映像もきれいですし、現役の人気機種が多くて、きちんと実践の練習になるのがいいですね。また、単純にゲームとして遊ぶだけでなく、出玉で景品に応募できるのも楽しくて。最新のアプリで昔を思い出す、というのも不思議なことかもしれませんが、昔、新しいCDを目当てにパチンコを打っていたことを思い出しました（笑）。

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ーー最後に、今後の目標や夢についても聞かせてください。

ひげ紳士：視聴者さんがいなかったらお店自体がもう存在していませんし、険しい道かもしれませんが、このホールを守っていきたい、というのが一番ですね。いまは「たんぽぽ」というゲームセンターも共同運営していて、ホールには置けないレトロな台も含めて、まさに大衆娯楽、という空間を作っているので、可能な限りそれに近づけたパチンコ店を作ってみたい、というのが最終的な夢です。誰もが無理せず、いつでもワクワクしながらパチンコを楽しめる環境ができるように、今後も尽力していきたいですね。

「パチンコ店買い取ってみた」

潰れそうなパチンコ店を買い取った一人の日本人オーナーひげ紳士の奮闘記。
https://www.youtube.com/channel/UCrsnfPtox8SQrVl0WySNjgQ
ひげ紳士が経営するパチンコ店「幸手チャレンジャー」
住所：埼玉県幸手市大字戸島388-1　
営業時間：10:00～22:00