ヒメヒナが観客と共有した“熱い思い” オンラインライブ『HIMEHINA LIVE2021「藍の華」』レポ

『HIMEHINA LIVE2021「藍の華」』レポ

 以降はこちらも観客の合唱パートが印象的だった「ララ」、ともにアルバムに収録されていたインタールード的なユーモア全開の替え歌「Int:NamidaGanges」とその元ネタ「アダムとマダム」、そして代表曲の「ヒトガタ」という、アルバム『藍の華』の曲順そのままで展開していく終盤パートに突入。ステージ両端からそれぞれ歩いてきた2人が中央で向き合いながらはじまった「My Dear」では、海をバックに歌われる、離れた場所にいる/いた大切な人へと向けられた歌詞が、久々に実現したライブでのメンバー/観客の姿に重なった。



 アンコールは観客によるアカペラでの「うたかたよいかないで」の合唱でいつもの様子を再現した後、新曲「フリコドウル」と「劣等上等」へ。その後MCに入り、「今日を迎えられて本当によかった」「近くにいるみたいにコメントが出て、みんなの声が聴けて……」と当日の感想も交えながら、昨年のツアー中止以降ライブを届ける方法を探ってきたことや、その中で感じた想いが語られる。最後は「今は世界が大変な状態だけど、いつかは晴れることを願って!」と伝えて、「水たまりロンド」と、MVにVTuber界を代表する様々なメンバーが集合した「Mr.VIRTUALIZER」でライブを終えた。


 この日のライブで終始印象的だった、観客の熱気を可視化/共有するような仕組みは、現状のオンラインライブの弱点を補う方法として、今後も様々な形で追求されていくだろう。そして、全編を通して何より伝わってきたのは、ヒメヒナにとってライブとは、「観客と熱気や想いを共有する場所」だということ。実際に会場に集まってライブができなくても、オンライン上にみんなの想いが集まるライブをつくりたい――。そんなメンバー/制作チームの気持ちが想像できるようなライブだった。

 5月26日には2ndアルバム『希織歌(kiryca)』の発売が決定。6月にはパシフィコ横浜での最新ライブも決まっている。この2021年は、ヒメヒナの音楽活動がますます多くの人々へと広がっていく一年になりそうだ。

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