AIが決めた化粧品を私たちは本当に購入するのか 最新技術・サービスから考える

AIが決めた化粧品を、私たちは本当に購入するのか

 こうした工夫は消費者にとって気軽に気になるアイテムを試せるだけでなく、昨今のように外出や人との接触が難しい環境にも適している。さらに対面での接客が苦手だけれど、よりパーソナライズされたアイテムを探したい人にも嬉しいサービスだろう。情報が集まりやすい今、コスメやスキンケアは人気アイテムであるだけでなく“自分にあっている”ことが重視されている。アプリで診断しその日の肌状態に合わせたケアができる資生堂「Optune(オプチューン)」や、ダメージやカラー歴、なりたい髪質などのオンラインカウンセリングでパーソナライズされたシャンプー「MEDULLA(メデュラ)」、さらにはFUJIMI(フジミ)からはパーソナライズされたフェイスマスクまで登場。こうした、より自分に適したアイテムへの需要は年々高まっているように見受けられる。そんな中、上記のようにAIやオンライン診断を用いたサービスは、多くのユーザーにとってより購買意欲を掻き立て、気軽に悩みを解消できる場となっていくだろう。

 もちろん実際にタッチアップし、商品を手にとって試せることはなにものにも変えがたい体験である。ショップに行き、美しく並ぶディスプレイの中からとびきりのお気に入りを選ぶ瞬間は、“購入”以上の意味を持つ。

 しかし未曾有の事態になり、これからの社会はニューノーマルの時代へと変化する。そんな中でこうした美容×テクノロジーの発展は、新たな文化や価値、体験を産むチャンスになるのではないかと感じる。

■Nana Numoto
日本大学芸術学部映画学科卒。映画・ファッション系ライター。映像の美術等も手がける。批評同人誌『ヱクリヲ』などに寄稿。Twitter

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