海を越えても受け入れられる、辻希美『辻ちゃんネル』のすごさ

『辻ちゃんネル』の魅力を再考

ありがたいスポンサー動画

 ニーズといえば、『辻ちゃんネル』はスポンサー動画の使い方も絶妙です。例えば、店頭やネット広告で見かけることがあるけれど、実際に手に取ったことはない、そんな商品がスポンサー動画で紹介されています。いわゆる“案件動画”以外でも、なんの気なしに紹介されている商品ですら、知る人ぞ知るといったアイテムが多く、気付きと購買意欲につながります。

 動画の作り方にしても、ペルソナを意識した商品チョイスなので、見ていて不自然といったこともなく、押し付けがましい宣伝だと感じにくい構成です。例えば、2020年6月にアップロードされた『【今年初】レインボー素麺で流し素麺をやってみた!』動画では、「Big StreamそうめんスライダーCUSTOM」と8種類の素麺が入った「レインボー素麺」というアイテムが紹介されています。時期的に、コロナ禍における子どもとの過ごし方に悩んでいた親は多かったはずなので、まさに心に響く商品を使った動画だったのではないでしょうか。

【今年初】レインボー素麺で流し素麺をやってみた!

 こういった親の悩みに対して的確にアプローチするアイテムや技を取り上げてくれるので、敬遠されがちなスポンサー動画でも、見終わったあとは「いい商品を紹介してもらった」とありがたく感じたりするのです。

 実際、筆者は『辻ちゃんネル』で紹介されていたアイテムをいくつか購入しました。

 このように、私は『辻ちゃんネル』の計算し尽くされたYouTube動画にすっかりハマってしまいました。おかげで、ホラー映画三昧で、基本的にモノトーンを愛する我が家に、明るい色味のアイテムが増え、家事を少しずつでも楽しもうという気持ちになり、家庭内にポジティブな空気が流れ始めてきているのを感じています。

 ちなみに、この辻ちゃんの影響力が果たして外国人にも通じるのかと、住み込みのメイドさんやベビーシッターに一切の家事を任せるのが一般的な東南アジアの人たちにも『辻ちゃんネル』を見てもらったところ、家事をこなす側、家庭内でもオシャレに気を抜かない4人の子持ち母のYouTubeチャンネルは、驚きをもって受け入れられたようでした。自発的に家事をするというところまでは至らなかったようですが(メイドさんの仕事もなくなりますし)、ロックダウンでだらけていた外見に対する意識を引き締めることには成功した様子。『辻ちゃんネル』に影響を受けて、家の中でもきちんとした格好をするようになった、といった声が聞こえてきました。

 想像していたことではありますが、海を越えても受け入れられることがわかり、改めて『辻ちゃんネル』の凄さを再確認する形となりました。少しでも今の生活を改善したい、良い影響を受けたいと思う方は、まずルーティン動画から見てみてはいかがでしょうか。きっと、目覚めと共に洗濯機のボタンを押したくなるはずです。

■中川真知子
ライター。1981年生まれ。サンタモニカカレッジ映画学部卒業。好きなジャンルはホラー映画。尊敬する人はアーノルド・シュワルツェネッガー。GIZMODO JAPANで主に映画インタビューを担当。Twitter

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