アメリカ大統領選、Twitterで誤情報を流した男が逮捕

アメリカ大統領選、Twitterで誤情報を流した男が逮捕

アメリカの選挙抑制とその流れに加担した今回の結果

 Voter Oppression(選挙抑制)はソーシャルメディアだけではなく州ごとの法律、物理的困難、複雑な選挙登録プロセスやシステムなどによって、特定のグループの人々を主なターゲットとして行われている投票侵害行為だ。目的としては投票を困難にすることで相手側の投票人口そのものを削減していくというものだ。

 昨年末の大統領選挙は特に新型コロナの影響を受け、郵送投票が増え混乱が相次いでいた。当日投票は投票ブースの削減により遠くの投票場まで出向かなければいけなく10時間以上待った投票者たちが多くいた。今回の起訴は2016年の選挙をベースとした実例だが既にこの時点でSNSを通じての誤情報の拡散が蔓延っていたことが見て取れる。

 MITの主催するメディアラボの調査によって発表された2016年の大統領選挙におけるソーシャルメディア(Twitterからの会話をもとに分析)投票影響力ランキングを見ると150ものアカウント内に様々なグループが含まれている。第一位がトランプ、その他にもオバマなどの元大統領、ヒラリーなどの現役政治家たち。FOXニュースやニューヨークタイムズ紙などのメディア陣、そして今回起訴されたRicky Vaughnのアカウントが107位にランクインしている。

 今回の訴訟はこの先、ネット上における人権問題を扱う上でも大きな役割を果たしていくことは間違いない。様々なオンライン媒体が増える中、今後、法執行機関がどのようにこれらの問題に取り組んでいくのか注目していきたい。

(画像=Pixabayより)

■mugiho
ニュージーランドの大学でマオリ文化の発展・都市計画・教育について学びながら映画、テック、文化芸術について執筆するフリーライターと翻訳家。人間観察をしながらたまにそれらについて書いたり撮ったりしている。

〈Source〉
https://www.theverge.com/2021/1/27/22252583/twitter-vote-by-text-misinformation-hoax-arrested
https://www.huffpost.com/entry/trump-white-nationalist-troll-ricky-vaughn_n_5ac53167e4b09ef3b2432627
https://medium.com/@socialmachines/who-s-influencing-election-2016-8bed68ddecc3
https://www.nytimes.com/2021/01/27/nyregion/douglass-mackey-arrested-far-right-twitter.html?searchResultPosition=6
https://techcrunch.com/2021/01/27/justice-department-election-interference-douglass-mackey-ricky-vaughn/
https://www.buzzfeednews.com/article/charliewarzel/twitter-doesnt-think-this-attempt-to-disenfranchise-voters-v
https://www.bbc.com/news/election-us-2020-54240651
https://www.aclu.org/issues/voting-rights/fighting-voter-suppression
https://www.britannica.com/topic/voter-suppression

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