AirPods Proイヤーチップはカスタムしてからが本番! AZLA、オウルテック、COMPLY、SpinFitが変える音楽体験

AirPods Proのイヤーチップ4製品レビュー

SpinFit『CP1025』

 交換用イヤーチップメーカーの有名ブランドSpinFitの手掛けるAirPods Pro専用イヤーチップが『CP1025』だ。SpinFitの特徴であるシリコン素材のイヤーピースで、ダクト部分が耳の穴の角度に応じて自在に動くフィット感の良さが特徴。製品パッケージはS/M/ML/Lの4サイズで2ペア入り、実勢価格は1,650円ほど。

 製品パッケージにはイヤーチップの傘にあたるパーツとアダプター部が分離して収納されているが、取り付けと組み立ては簡単。装着感としては純正イヤーチップより密閉度は低めだ。音質の変化は驚くほどに大きく、AirPods Pro純正イヤーチップにあった包み込まれるサウンドを全てリセットした上で、フラットで透明感あるサウンド。特に女性ボーカルはクリアは驚くほどピュアで瑞々しく聴かせてくれる。ギターや楽器の音分離も克明な上に高域まで伸びやかでダイナミックになり、楽曲全体としての音数も豊富。低音のパワーは純正イヤーチップより控えめ。AirPods Proのサウンドを音の鮮明さと臨場感で違ったステージに引き上げるカスタムとして有効だ。

COMPLY『AirPods Pro 対応 交換用 イヤーピース』

 交換用イヤーチップメーカーのトップブランドであり、フォームタイプの代名詞のように語られるメーカーがCOMPLY。COMPLYのイヤーチップは低反発ポリウレタンで作られており、指で潰した上で体温に反応して耳のなかで広がり密閉度を高める仕組み。AirPods Pro用製品パッケージはS/M/Lの4サイズで3ペア入り、またはサイズを試せるMIXパッケージで実勢価格は3,300円。

 指先で潰して耳に装着するコンプライの形状らしく、まず耳栓としての遮音性はは今回試した4種類でトップ。サウンドも体験してみると、これまでのイヤーチップにはない空間が音楽で満たされる密度感が凄まじい。楽曲のなかで埋もれていたコーラスや楽器の音までも存在感を発揮し始める。一方で、歌声やキーボードといったメロディもハッキリと浮かび上がる。ベースの音も引き締めつつパワフルな低音として心地よく響く。AirPods Proが最初からCOMPLYと組み合わせた音を完成形として設計されたのではないかと疑いたくなるような、純正イヤーチップの音質を大幅にアップグレードしたサウンドを聴かせてくれるイヤーピースだ。

■折原一也
1979年生まれのオーディオ・ビジュアルライター/AV評論家。映像と音に関連するガジェットが専門で、モノ雑誌や専門誌、Webなどで実機レビュー記事を多数執筆。VGP審査員

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