『ドラ恋~Kiss On The Bed~』第5話ーーベッドシーンや細かい仕草に見えるけい×まなみの“素敵な関係”

『ドラ恋~Kiss On The Bed~』第5話レビュー

 「まなみ(江野沢愛美)さんとけい(北條慶)さんのペアは2回目の同棲ハウスでしたが、いかがでしたか?」という澤田(育子)先生からの問いかけに、「新しい感覚が芽生えましたね」と答えたけい。すかさず入った澤田(育子)先生からの「どんな感覚?」に対し、しばらく答えられずにいるけいの頭をまなみが台本ではたく姿も、2人だから許される距離感が醸し出されており微笑ましい。「2人の関係はより密に、距離感が縮まった気がします」と重ねたけいに対して、まなみははっきりと「自分が安心して一緒にいることができたので、それがお芝居にも出てるんじゃないかなという自信があります」と即答。この発言通り、今回主役の座を勝ち獲ったのはけい×まなみペアだった。

 オーディションの各ペアの様子を振り返ってみよう。まずはコージ(才川コージ)×ふうた(坂口風詩)ペア。コージは演技の終盤、感極まって泣いており、その涙をふうたが拭っていた。続いてたくや(若林拓也)×さちか(新田さちか)ペア。演技に入る前のハグが長く、力がこもっていてたくやの気持ちが溢れ出ていた。トウヤ(森田桐矢)×みなみ(糸原美波)ペアは、久々にみなみにいきいきとした表情が戻ってきており、トウヤも終盤は涙を見せていた。

 そしてラストにけい×まなみペア。2人の演技にだけ「まどろみ」の空気感があり、その時は“当たり前に流れていて、これからも続いていくことを疑わなかった幸せ”な瞬間を自然体の2人が紡いで見せてくれていた。今はいない彼女役を演じるまなみが自然であればあるほど、来年もこの幸せが当たり前に続くのだと信じて疑わない2人の無邪気な様子が際立ち、その後の展開を知っているこちらからすると、より切なく胸に迫ってくるのだ。澤田(育子)先生からの講評「恋人感が出ていて、2人が恋人だったらこんな風になるんだろうなというのが想像できました」に続き、台本の読み取り方についても重要な指摘が入る。「正直、このペアだけがきちんと台本を捉えていると思いました。今日のパートは彼女とのハッピーな思い出の妄想シーンで、その後、彼が十分悲しむシーンがある。他のペアはすでに悲しみが先走りすぎ、悲しみの予感がありすぎる。これから心中しちゃうのかなっていう空気感が出てしまっていた」が、全てを物語る。

 主役が決まった後の2人は抱き合い、「一番けいがやりたかった台本」で演じられるということを真っ先にまなみが喜んでいた姿が、甲斐甲斐しくて本当に可愛い。

 インタビューでけいは「2人で共有するものも増えて距離が縮まって、勇気を出して指名してくれて同棲ハウスにも誘ってくれた彼女には感謝してるし嬉しいし、それを芝居で伝えられたら良いなと思っている」と真摯に彼女の気持ちに向き合うことを宣言。一方まなみは込み上げる喜びをかみしめるように、堪えていた涙が思わず溢れ出し、「めっちゃ嬉しい。やったぁ」と言葉少なに絞り出した姿がリアルでとても魅力的だった。1回目の同棲ハウスでは歯痒く埋まらない距離感があった2人だが、今は自分の気持ちを受け止めてもらえる手応え、安心感にまなみが包まれているのがよく伝わる。

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