kemio×水溜りボンドが語る“YouTuberへの偏見”とクリエイターの真実 「漫画も昔は“読むとバカになる”と言われた」

数分の動画にはクリエイターの人生が詰まっている

その時代のフィルターじゃ今のウチらは盛れないの

 水溜りボンドの二人は、クリエイターとしての立場から、「『楽してお金が稼げる』ってイメージが付いてるのは、言葉を選ばないで言うと心外。ひとつ発想を得るためにすごいインプットがいる。数秒のアニメーションを作るためには何時間も勉強が必要なように、数分の動画にその人の“人生分”のインプットが入っているって、いつかみんなの共通理解になってほしい」と続ける。

 kemioも、かつて数秒のショートムービーが投稿できることで一世を風靡し、自身もそこで知名度を上げたものの、4年でそのサービスが突然終了してしまった『Vine』アプリでの経験を踏まえ、「いまの活動においても、そういうことが突然起きる可能性がある。永遠はないです。いまやっていることを一日でも多く、次の自分へとバトンを渡せることができたら感謝です」と覚悟を語った。

 両者の魅力的な部分は、どんな環境においても、自分のやりたいことに忠実でブレないところだ。それでいて、常に周りに感謝を忘れない。この日の対談でも、「なんのためにやってんだっけ?っていうのをブラさない。俺たちは二人で遊んでるのがめっちゃ楽しくて、それを死ぬまで続けるためにやってるから、残るためにとか、売れるためにとかで、二人が楽しくないことをやっても、終わった時に何も残らないけど、『これで終わってもしょうがないよね』ってところまでは楽しくやる」(トミー)としながら、「誰もが、一人一人が地球を支えてる。私たちはどの人も大変なんです」「働いてるだけでみんな偉いです!」(kemio)と、他者を下げることなく、リスナーにもエールを送っていた。

 YouTuberというものがまったく理解されなかった時代を乗り越えて、現在、より多くの人々の共感や支持を集めるようになったkemioと水溜りボンド。その強みは、こうした人間性にあるような気がした。

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