『ドラ恋~Kiss On The Bed~』第4話ーー恋愛模様のなかで垣間見た“男の友情”に注目

『ドラ恋~Kiss On The Bed~』第4話レビュー

 それは『ドラ恋』名物の演技の基礎訓練、エチュード(即興演技)での出来事だった。最初のお題であるは「喧嘩エチュード」、澤田(育子)先生から同性同士のペアが指名され発表されていく。コージから「正直、俺ら好きな子被ってんじゃん」と切り出し「俺らのために手引いてくんないかな?」と畳み掛ける。たくやはこれに「人の気持ち考えろよ」と返し、言い合いはヒートアップ。実際の恋愛でも2人の矢印が向いているお相手のさちか(新田さちか)以上に、コージのことが気になるみなみ(糸原美波)が辛そうな面持ちを見せる。

 続いて「キスのエチュード」。澤田(育子)先生に指名された男性が組みたい女性を選ぶ。結果的に全員が“友達以上恋人未満”のような関係から男性が想いを打ち明け、キスをする展開だったのが興味深かった。(カップル設定のペアは皆無だった)

 トップバッターはトウヤ(森田桐矢)→ふうた(坂口風詩)。続いて、けい(北條慶)→まなみ(江野沢愛美)。演技終了後、澤田(育子)先生がすかさず「すごく良かったです」と声を掛けるほど、久々に再会した旧友同士のすれ違う気持ちがよく表現されていた。たくやはさちかを指名。ソファーを電車に見立てて隣に座る2人だが、あまりの距離の近さに、澤田(育子)先生から「彼氏がいるのにだいぶ隙ありませんか? もうちょっと違う形でも良いかなと思いました」と鋭い指摘が入っていた。最後にコージももちろんさちかを指名。もはや素の2人だと思えるような自然な様子に、澤田(育子)先生からの指摘も特にはなかった。

 新たな台本のエピソード3「思い出の旅」は、もう会えない彼女を思い出のベッドの上で想い続ける男の切ない恋物語が描かれる。

 今回のペア決めは女性からの指名で、指名順はくじ引き。みなみ→トウヤ、まなみ→けい、さちか→たくや、そしてふうた→コージでのペア組となった。

 さちかがたくやもコージも残っている状況で、たくやを選んだことについて、たくや本人は「色々と考えた上で妥協って言ったら変ですけど、選んでくれたのかなと思って、純粋には喜び切れない。でもさちかの(中の)コージの記憶を俺で上書きしてやろうと思ってます」と正直な心境を吐露した。

 一方、コージはこの選択をポジティブに捉えているようで「率直に良かったなぁと思って。さちかちゃんはすごい貪欲な子だから、僕以外にも色んな人と演技をしてまた違うタイミングでやれたらいいなと思って。たくやとさちかちゃんがキスするのは嫌ですけど、自分が(主役を)獲ればいいやと思って」と、これまで同様、正々堂々とした姿を見せた。

 当の本人のさちかの心境は「今でもその選択が正しかったかわからないけど、コージくんとまた演技したい気持ちはあったものの、コージくんのお芝居に頼りすぎている自分がいたので、今回はたくやくんと組んでみたいなと思いました」とのことで、男性陣2人のお察し通りだった。たくやもコージも真っ向勝負で、正直で、2人の男の友情もとても清々しい。

 前夜にさちかを呼び出したたくやは、エピソード2の本番を観た感想を、負け惜しみでも強がりでもなく素直に本音で伝えていたが、なかなか誰にだって簡単に出来ることではない。とても格好良く立派だと思う。

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