『今日好き 夏空編』最終話ーー告白の成功と失敗続くなか、衝撃的な“第三の選択肢”が飛び出す

『今日好き』最終話レビュー

 第5話より引き続き、3日目朝は女子から男子への最後のアピールタイムに。最終話ではまず、星月梨杏(りあん)が、女子3名から恋の矢印が向いている“この旅いちばんのモテ男”こと天野冬海(ふゆみ)をツーショットに指名。2泊3日を通して、ふゆみと会話をして仲を深める機会に恵まれなかったりあんだが、それに対して彼自身も「不安にさせてごめん」と、さすがの“モテ男”ぶりがわかる心遣いを示す。最後には、りあんが「喋りに行けてないから、そういうところは(他の子に)負けたって認めるけど、想いだけは負けない!」と宣言し、ふゆみも笑顔で応えた。

 続く三野宮鈴(すず)は、青山京平(きょうへい)を呼び出す。きょうへいにとって三角関係にある三島啓史(けいし)とのツーショットを終えたばかりとあってか、きょうへいは2日目までと比べて何倍にもギアを上げてアプローチ。すずを好きになった理由を具体的に掘り下げて説明し、ダメ押しに手を繋いで海辺を散歩することに。

 さらに「本当にすずが大好きだよ」と投げかけると、そこから“頭ぽんぽん”に加えてぎゅっとハグをするなど、もはや番組のクライマックスといえるやりとりを交わしていく。ここまで、けいしの“量”に“質”で応戦してきたきょうへいだが、彼が量でも勝るプレイヤーになってしまったら、もう勝ち目はないだろう。この“頭ぽんぽん”などには、スタジオメンバーからもオンエア内にて「ズルいぞ! 今日好きルールブックとしては認めてないよ!」とツッコミを入れられていた。

 また、横田未来(みらい)は、酒寄楓太(ふうた)を指名。この日の朝に、好意を寄せていた石川涼楓(すずか)が旅のリタイアを決心し、絶賛傷心中のふうたに対し、みらいは、好きな人の視線が自分に向いていない悲しさに共感できるからこそ、そんな彼の心を「辛いよね? わかるよ、その気持ち」と、優しく受け止める。その言葉を受けて、ふうたも「話して、元気でました」と感謝を表すなど、2人の後ろにある感情は切ないながらも、それぞれがお互いを尊重しあう優しい時間が流れていた。みらいは、彼が旅に残ったからこそ、最後の告白に向かうことを決めたと気丈に振舞うのだが、それでも女子メンバーのもとに戻った瞬間、大粒の涙を流してしまうのだった。

 いよいよ、運命の告白にーー。まず海辺に現れたのは、すず。目の前には、きょうへいとけいしの2人が待つが、告白の相手に選んだのは……きょうへいだった。彼を前に「パラセーリングで2人で過ごした時間は、本当にめちゃくちゃ幸せでした」と振り返り、最後には「きょうへいくんと過ごした時間ぜんぶ、この旅のいちばんの思い出です。きょうへいくん、好きです。大好きです。付き合ってください!」と手を差し出す。

 結果は……告白成功! すぐに待ちきれんばかりのハグを交わすのだが、「ギューしかできない!」とベタ惚れなのはすずの方だった。そんな彼らを後ろに「悔しいですけど、後悔はないです。幸せになってくれたらいいです」と、けいしは真摯に彼女を送り出す。けいしよ……負けたことがあるというのが、いつか大きな財産になると思う。

 2組目は、ふゆみに告白する梅原麻緒(まお)、りあん、川畑愛真(えま)の3人。それぞれが順番に、「この旅中、ふゆみくんのことを考えなかったことがなかったくらい、ずっと考えてました」(まお)、「ふゆみくんだったから頑張ろうと思ったし、積極的に行こうって思えました。本当に……本当にめっちゃ好きなの」(りあん)、「2日目の私服勝負で勝って、2人で船に乗って、人生で初めて手を繋げた相手もふゆみくんで、本当によかったなと思えました」(えま)と、最大限に心を込めた言葉をぶつけるも……ふゆみは「ごめんなさい」と申し訳なく謝る結果となった。

 ふゆみにとって、やはり第一印象で気になる相手だったすずの存在は大きかったのだろう。旅の終盤まで彼女を2人きりに誘えず、逆にこの3人がふゆみに対して好意を向ける妨げがなかったことで、結果的に彼女たちを少しずつ傷つけていたのかもしれない。全員が痛感しただろう恋愛の難しさを前に、なかでも最も長い時間をふゆみと過ごし、チャンスに恵まれてきたえまは、「早く家に帰りたい〜」と彼女らしさ溢れる“かわいみ”を示していた。

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