Boiler RoomとApple Musicの提携は、DJ配信の著作権問題解決の糸口になるか

Boiler RoomとAppleの提携に注目

 このような実情を踏まえて、日本でもDJやクラブが著作権を侵害することなく、合法的にDJ配信を行える環境作りを訴える者も少しずつだが増えてきている。しかし、合法にDJ配信するためには著作権と一口にいっても著作権と著作隣接権(原盤権)の2つの許諾をとる必要があり、それがかなり複雑であることも識者によって度々指摘されている。そのため今後、問題を解決するためには業界を挙げての取り組みが必要になってくるはずだ。

 今回のBoiler RoomのApple Musicからの配信については、少なくとも公開されている200本のDJセットに関しては、著作権と著作隣接権が適切な形で処理できたものだと考えられる。

 DJ配信における著作権問題は、コロナ禍の業界においては注目が集まる関心ごとだ。それだけにDJ配信文化の先駆者であるBoiler Roomが適切な形で著作権に向き合う姿勢を示すことは、業界が抱える問題解決に向けた動きを促進させるきっかけになるのではないだろうか。

■Jun Fukunaga
音楽、映画を中心にフードや生活雑貨まで幅広く執筆する雑食性フリーランスライター。DJと音楽制作も少々。
Twitter:@LadyCitizen69

〈Source〉
https://boilerroom.tv/article/br-apple-music-1
https://www.youredm.com/2020/06/07/twitch-streamers-suddenly-hit-with-wave-of-copyright-claims-dating-back-years/
https://www.twitch.tv/p/ja-jp/legal/community-guidelines/music/
https://note.com/eisukemizuguchi/n/n932136d2c9e4

 

関連記事

インタビュー

もっとみる

Pick Up!

「コラム」の最新記事

もっとみる

blueprint book store

もっとみる