“フォートナイトの乱”はどこに向かう? その経過と背景をまとめ、今後を予想してみる

“フォートナイトの乱”はどこに向かう?

予想される今後の展開は3つ

 8月27日にはフォートナイトの新シーズン「チャプター2シーズン4」の開幕が予定されている。App Storeからの削除状態が解消されないと、iOSプレイヤーは新シーズンに参加できなくなる。こうしたなか、以下では今後予想される展開を実現可能性の順に列挙する。なお、以下の予想には異論の余地があることを明記しておく。

・Epic GamesとAppleが暫定的に和解する(実現確率:大)
iOSプレイヤーの利益を優先して、Epic Gamesがアプリ削除の原因となった「Epicディレクトペイメント」を撤回する。この場合、フォートナイトの削除措置は解かれる。しかし、Appleとの法的な争いは継続する。この争いは、2020年内には決着しないだろう。

・互いに譲歩しない(実現確率:中)
両社が互いに譲歩せずに、8月27日を迎える。この場合、iOSプレイヤーは新シーズンをプレイできなくなる。もちろん、法的な争いは継続する。フォートナイトの削除措置は長期化するかも知れない。もっとも、この予想は両社がともに痛手を被る結果となるので、両社とも避けたいだろう。

・Appleがプラットフォーム運営の改革に乗り出す(実現確率:極小)
Appleがプラットフォーム使用料に関して、何らかの改革を行う声明を発表する。この場合、Epic GamesはEpicディレクトペイメントを撤回すると同時に、訴状自体も取り下げるかも知れない。もっとも、この予想の実現確率は極めて低い。ゲームスタジオのひとつに過ぎない企業に対して大きく歩み寄ることは、今後のApp Store運営に関してAppleに不利な前例を作ってしまうことを意味する。そんなことをAppleはしないだろう。

 “フォートナイトの乱”の真の目的が、AppleのApp Store独占支配に対する異議申し立てにあるのならば、前述した経過にまとめたように半ば達成されたように見える。それゆえ、Epic Gamesには歩み寄る余地があるように思われる。そして、譲歩したとしても、同社を「腰抜け」呼ばわりするフォートナイトプレイヤーは多くはないのではないだろうか。

画像出典:フォートナイト公式ニュース記事「#FREEFORTNITE」より画像を抜粋

■吉本幸記
テクノロジー系記事を執筆するフリーライター。VR/AR、AI関連の記事の執筆経験があるほか、テック系企業の動向を考察する記事も執筆している。Twitter:@kohkiyoshi

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